闇夜の星
━カチ━カチ━カチ━

時計の針の音だけが部屋に鳴り響く。




・・・・・・・遅くね?


自販機って部屋を出て右に行ったらすぐあったはずなんだけど。とりあえず自販機に行ってみるか。



「一星、さーんどこですかー」


一応周りの人がいそうな場合はさん付けしてるけど中々慣れない。ていうか自販機にいないし。



トイレ?いや、ついさっき行ってた気がする。


◸葉月ちゃーん◿



かすかに聞こえる声に振り返ると物陰に隠れている一星がいた。



「何してんの?」



質問すると一星はあたしより年下に見える表情で爽やかに、明るく、イタズラな顔でありえないことを言った。




◸俺の撮影が始まる4時間後、それまでに俺を見つけれたら大人しく撮影するから。
もし、見つけれなかったら今度デートして◿



勝手に喋って勝手に立ち去ってしまった。なんなのよ。いつもいつも、からかってくるばっかり。あたしのことを子供と思ってバカにしてる。





こうなったらなんとしてでも見つけてやる。
どうせビル内にいるに決まってる。仕事を失って困るのはあいつだから、あたしは困ることなんてないけどデートだけは、嫌。




・・・・・・・全然見つかんない。



「さっき一星さん下に降りてったけどまだ撮影終わってないよな?」

「休憩中だから飯でも食いに行ったんじゃゃないか?」


そんな会話をしながら男性スタッフが移動していてあたしは諦めた。あいつ逃げやがやった。




【現在】

そんなこんなで仕方なく高山さんにも伝えて今は外を探し回ってる。



「はぁ·····はぁ、」


全然息が整わない。こんなに走ったのは家を飛び出したあの日以来かも。



━━━プルルルルルル━━


電話がなって耳に当てると高山さんだった。


「見つかりました?」
< 50 / 79 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop