闇夜の星
「『なんか』ってなにさ
教えてごらん」
「気持ち悪いって」
「いいからー 」
言われるまま答えてしまった。無駄に話しやすいんだよな。
「連絡しなかった私も悪いけど思っちゃったんだよね
あんただって連絡くれなかった、どうせそんなもんでしょって
·····そもそも家が隣同士だったってだけでお互い空気みたいなもんだし、友情的なものがあった訳じゃないけどね」
あたし自体、勝手に連れてこられてまともに挨拶もできなかったしあっちから見れば十分すぎるほど嫌な奴に違いない。
「名前って何?」
「山下功真だけど⋯」
「頭いいの?」
「あー····よく上位争いしてた、かも?」
「そっかそっか、頭良すぎてわかんないんじゃない?どういう状況に置かれてたとか」
急に功真の悪口を言い出してますます意味がわからん。しかもあたしの傷に塩塗ってくんなよ。
それから数日後だった。幼なじみとの再会は。
「·····カラオケでも行かね?」
・・・・・・・なぜ?
そしてなぜあたしは着いてきてしまったんだ。怒ってても功真だと緊張感抜けちゃうんだよなぁ。
カラオケのふたり向けなのか少し狭いルームで隣同士になったあたし達。
ドキドキも、緊張感も何も無い沈黙の時間が流れる。
「お前の仕事仲間が大学に来た 」
「げ⋯」
あいつ、余計なことを。というかどうやって見つけたんだ。
「怒ってかえって悪かった
それからごめん」
頭を下げられて戸惑っているあたしに功真は続けた。
「冬花がそんな状況に置かれてたなんて知らなかった
本当はあの時、なんて言っても引き止めるべきだった」
功真は昔から口が悪くて、顔に出さない性格で、なのに優しいやつだった。空気みたいに感じるほど隣にいて居心地が良かった。
「あの時⋯選択を間違えたのはあたしだから」
あの日から全ての選択を間違えた。それからずっとかもしれないけど⋯。