闇夜の星
「そう…、あたしは邪魔で役たたずってわけ、あの人のことの方がお義父さんのことの方が大事ってこと!?…もういい、じゃあ…」
口が止まらなかった。"待ってる"それだけのことが言えなかった。こんな時にあたしは何言ってんだ。それでも背中を向けて走り出した。
お母さんが逃げろって言った。いっしょについていけないなら逃げるしかないんだと思って。
.........最後に後ろから声が聞こえた。
「待ってて!大好きよ.........!」
震えながら叫ぶ声に何となく振り向いちゃいけない気がした。
でもきっと笑って言ってる気がした。
瓦礫があっていつもの道が知らない道に見えた。5分で着く距離を倍以上の時間をかけて何人かの同級生達に会って何とか学校にたどり着いた。
多分あたしは早くついた方でそれでもたくさんの人が校舎のなかに入っていく光景は異常だった。
「はよ上にがあがれぇぇぇ!もう津波が来とるぞ!」
「おい、お前ら高齢者に肩貸して急げ!」
動ける若い人は子供だろうがなんだろうがとにかく必死に手伝った。
全員わかっていたのだ。手伝わなければ目の前で誰かが死んでしまうことを。
「冬花っ、お前親は?」
「…先にいけって」
「そうか…」
功真と会えてほっとした反面一緒にいたお母さんを見てあたしは後悔しかしてなかった。なんで置いてきたんだろう。
「冬花ちゃん、とにかく無事でよかった
お母さんたちも絶対くるから待ってましょう」
━━━━カタカタカタカタカタカタカタカタ━グラッ━━
もう一度来た大きな地震、のちに余震だとわかった。それから窓から見える海の手前にある青い屋根は……大きな大きな津波に流された。
こんな大きな出来事がたった20分の間の出来事なんて誰が想像できるだろう。