闇夜の星
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次の日にバイト終わりにまたアイドルに遭遇した。薄っぺらい笑顔を浮かべて話しかけられた。


「アイドル·····」


思わず口に出た言葉に彼は笑い転げた。息ができないようでスタジオの床をバシバシ叩くとふぅーと息を整えて一言。


「アイドルって·····くくっ、名前知ってるのに」


あはははと更に声を出した。たしかに変かもしれないけどそんなに笑われなきゃいけないことか?そろりと足を後ろに動かしながら立ち去ろうとすると「一つだけ聞かせて」早く終わらせて欲しくて「なんですか?」我ながら愛想の悪い返事をした。


「びしょびしょだったけど風邪ひかなかった?」


その言葉に動揺してしまった。そんな言葉を誰かに言われたのは久しぶりすぎて。


「平気」


動揺しながら答えれたのはたった3文字。別に平気。今までだってそうやって過ごしてきたんだから。



「良かった····!」



なんで見ず知らずの人間の体調をそんなに気にするわけ?同じ家の人間でも気にして貰えないのに。いや、アイツらにとって私は人ですらないか。



「じゃあ元気なんだ
俺どうしても行きたいカフェがあってさ、女の子が一緒じゃないと無理なんだよね
付き合って」



断る暇も無いまま車の後部座席に乗せられた。女子と一緒じゃないといけないカフェってなんなのよ。しかもどうしてその相手があたしなわけ?
車の後部座席は外から見えないようになっていて隠さないといけないなら尚更行く意味がわからない。


「スマホ持ってたら迷わず通報できるのに····」


気づいた時には口に出ていた。体調を気にかけてもらったのにさすがに失礼すぎた?顔は下を向いたまま目線だけを運転席に向けるとタイミング悪く目が合ってしまった。
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