Cherry×Cherry
「私のサーチによれば、タクヤ君は中学から付き合ってる彼女が居る!!しかも可愛い!!」
落ち込んで居るハヅキの傍に割って入って来たのは、
自信満々に喋るサチコだった。
通称、“サーチ”。
彼女のサーチ力(情報力)はとても凄くて、
しかもほぼ100%に近い事実ばかり。
クラスのほとんどは気になる噂があれば、
サーチに情報収集して貰ってる位。
どこから情報を得ているかは秘密らしい。
そんなサーチからの情報を聞いたハヅキは余計落ち込んだみたいだ。
「…まぁ、
チャラそうだったしなんか納得したよ、私は。
ハヅキがまたもっと傷つく前で良かったよ。」
「うぅ…サクラ〜泣」
そう言って涙目になるハヅキ。
「あのタクヤ君は結構チャラくて有名みたいだから私も良かったと思うよ。」
サーチも慰める様にそう伝えていた。
「…ただ誰かを好きになって恋をしたいだけなのにな…」
そう小さく呟くハヅキ。
入学して数ヶ月。
新しい出会いの場もあってなのか、カップル続出中のウチの学校。
その所為か、ハヅキは彼氏が欲しい様だ。
ハヅキはモテる。
中学の時も有名だった。
美人で、艶やかな黒髪ストレートが似合っていて一際目立つ。
誰から見てもしっかりしてそうな雰囲気を纏っていて、
頼れる存在。
中学の時も生徒会長を務めていたし、
そんなハヅキとこんなにも仲良くなれるなんて思ってもいなかった位だ。
こんな、なんの取り柄も無い私と正反対だからだ。
でもそんなハヅキはモテる分、
変な男に目をつけられやすいのは良くあることで…
正直もう傷ついて欲しくなかった。
「…サーチ。これからも情報提供よろしく!!!」
そう元気にサーチに言うハヅキ。
「私もハヅキを護りたいから当たりまえだよ♪」
そう嬉しそうに答えるサーチ。
こんな話をしていたら早くも1限目のチャイムが鳴り、
サーチも自分の席に戻った。