近付きたいよ、もっと、、、。
「お揃いの物?」
「うん……彼氏いる友達とかは、ストラップお揃いとか、キーケースお揃いとか……鞄に色違いのぬいぐるみ付けたりとかしてて、良いなって思ったから……」
「うーん、そうだなぁ……まあ、お揃いの物持つのは全然構わないんだけどさ、ストラップとかぬいぐるみが付いたキーホルダーはちょっとな……」
「そ、そうだよね……」
「つーかさ、お揃いならアクセサリーとかの方が良くねぇか? そっちの方が俺も付けやすいし」
「あ、アクセサリーは……その、……」
「ん?」
「……アクセサリーはね、やっぱり、記念日に買いたいなぁって思ってて……今日は別に記念日でも何でもないから、ストラップとかそういう気軽に買える物が良かったの……」

 咲結は咲結なりに考えがあってお揃いが欲しいらしく、アクセサリーも欲しいが今はそれ以外の物が良いらしい事を知った朔太郎は、

「分かった。そんじゃこれなんてどうだ? この小さいクマが付いたキーホルダー。これなら鍵付けられるし、キーリングとして持ち歩くよ。色違いでさ、どう?」

 すぐそばの棚に掛かっていた、小さいクマの人形が付いたキーホルダーを指差した。

「良いの? 邪魔になったりしない?」
「このくらいの大きさなら全然。鍵よりも小さいしな。咲結はこういう人形が付いたヤツの方がいいだろ? それと、クマじゃなくても良いけど……」
「ううん、これがいい!」
「そっか。じゃあ買ってくるよ」

 買う物が決まると、さも当然のようにキーホルダー二つを手にした朔太郎が一人でレジに向かおうとするのを見ていた咲結は、

「自分の分は自分で買うよ?」

 と朔太郎からキーホルダー一つを取ろうとするけれど、

「これくらい俺が出すって。気にすんな」

 それを断られた咲結はレジまで付いていったものの、お金を出すタイミングすら与えられず、朔太郎が二人分のキーホルダーを購入してしまった。

「……さっくん、お金……」
「いいって。ほら、これ咲結の分」
「でも……」

 どうしても自分の分は出したかったらしい咲結がキーホルダーを受け取る事を渋っていると、

「俺は社会人で稼いでるし、咲結はまだ学生でバイトだってしてねぇだろ? そんなヤツに金なんて出させられねぇって。そんな顔して受け取るの渋られるよりも、笑顔で受け取ってもらった方が俺は嬉しいよ? だからさ、これ、受け取ってくれる?」

 お金を受け取りたくない理由とそれよりもどうしてもらえた方が嬉しいかを口にしながら再度キーホルダーを咲結に差し出した。
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