父性本能を刺激したようで最上級の愛で院長に守られています
「嘘じゃないって。『今も愛する者が浮かんでいる、ここに』とも言ってた」
胸に手を置いて見せた。
「『考えるのをやめようと思っても気が付いたら考えてしまう。ついつい気付いたら、また考えている。活力だ、愛する者がいるから毎日頑張れる』とかってのも言ってた」
「まさに今の僕の心境です」
あっちもこっちも二人の世界を作り上げちゃって。
「幸星さん、私もです」
目の前と隣の二人もカウンターをはさんでキラキラした顔で見つめ合っている。
「いつからって聞いたら『気付いたらだ、愛するってそんなもんだろ』だって」
「院長先生ってロマンチストなんですね」
「私も話を聞きながら驚いた。そんなタイプとは思わなかった」
梨奈ちゃんが疑惑の目を向けてくる、完全に疑っている。
「本当だって。で、ここまで聞いたら戸根院長の愛する人って誰だと思う?」
羽吹先生や名垣院長の話をするとややこしくなるから、話はここまでにした。
「四季浜さんですよ、大穴で伊乃里先生」
ちょ、私は大穴扱いかい。私が正真正銘彼女なんですが。
てか、やっぱり四季浜さん?!
「あ、そうだ、この話で私に『この鈍感野郎』って言った」
「まだ紗月さんが元カノさんに出会う前ですもんね。もう紗月さんも誰のことか分かっていらっしゃるでしょう?」
「さ、さぁ」
下手くそか。
「すっトボけちゃって。察してほしくて話題に出したんですよね」
幸星くんが左の口角を歪まして鼻で笑った。
「僕との秘密ってことで」
ウィンクしてきた。
「私、本当に分からないんですが。伊乃里先生ったら、四季浜さんですよね。幸星さんもねぇ」
「紗月さんと僕の秘密だから」
「あぁ! 彼女以外の女性と秘密作った、感じ悪い」
「紗月さんが話の内容を忘れちゃう前に紗月さんに聞いたら?」
人を認知症みたいに。
どうでも良い内容は忘れていくの。動物のために脳の容量を空けとかなきゃいけないのよ。
そこらの凡人と一緒にしないでちょうだい。
「幸星くん本当に分かってるの? 答え合わせ」
梨奈ちゃんが乾きものに目を落としている間に、手のひらを私に向けてきた。
返事のしるしに頷いてOKサインを出した。この子は分かっているんだ。
「これから幸星くんに聞いてもらうことや相談事が山ほどある。今年は皆勤賞かもしれない」
「大変そうですね、僕が力になれることなら手助けします」
「ありがとうね」
聞き上手だからこれ系の経営者になれるんだろうね。
「なんか焼きもち焼いちゃう」
「こんな大っぴらな僕らなのに?」
幸星くんが、なぜとでも言うように伸びやかな両手を八の字に伸ばして肩を上げた。
胸に手を置いて見せた。
「『考えるのをやめようと思っても気が付いたら考えてしまう。ついつい気付いたら、また考えている。活力だ、愛する者がいるから毎日頑張れる』とかってのも言ってた」
「まさに今の僕の心境です」
あっちもこっちも二人の世界を作り上げちゃって。
「幸星さん、私もです」
目の前と隣の二人もカウンターをはさんでキラキラした顔で見つめ合っている。
「いつからって聞いたら『気付いたらだ、愛するってそんなもんだろ』だって」
「院長先生ってロマンチストなんですね」
「私も話を聞きながら驚いた。そんなタイプとは思わなかった」
梨奈ちゃんが疑惑の目を向けてくる、完全に疑っている。
「本当だって。で、ここまで聞いたら戸根院長の愛する人って誰だと思う?」
羽吹先生や名垣院長の話をするとややこしくなるから、話はここまでにした。
「四季浜さんですよ、大穴で伊乃里先生」
ちょ、私は大穴扱いかい。私が正真正銘彼女なんですが。
てか、やっぱり四季浜さん?!
「あ、そうだ、この話で私に『この鈍感野郎』って言った」
「まだ紗月さんが元カノさんに出会う前ですもんね。もう紗月さんも誰のことか分かっていらっしゃるでしょう?」
「さ、さぁ」
下手くそか。
「すっトボけちゃって。察してほしくて話題に出したんですよね」
幸星くんが左の口角を歪まして鼻で笑った。
「僕との秘密ってことで」
ウィンクしてきた。
「私、本当に分からないんですが。伊乃里先生ったら、四季浜さんですよね。幸星さんもねぇ」
「紗月さんと僕の秘密だから」
「あぁ! 彼女以外の女性と秘密作った、感じ悪い」
「紗月さんが話の内容を忘れちゃう前に紗月さんに聞いたら?」
人を認知症みたいに。
どうでも良い内容は忘れていくの。動物のために脳の容量を空けとかなきゃいけないのよ。
そこらの凡人と一緒にしないでちょうだい。
「幸星くん本当に分かってるの? 答え合わせ」
梨奈ちゃんが乾きものに目を落としている間に、手のひらを私に向けてきた。
返事のしるしに頷いてOKサインを出した。この子は分かっているんだ。
「これから幸星くんに聞いてもらうことや相談事が山ほどある。今年は皆勤賞かもしれない」
「大変そうですね、僕が力になれることなら手助けします」
「ありがとうね」
聞き上手だからこれ系の経営者になれるんだろうね。
「なんか焼きもち焼いちゃう」
「こんな大っぴらな僕らなのに?」
幸星くんが、なぜとでも言うように伸びやかな両手を八の字に伸ばして肩を上げた。