おとぎ話と秘密の物語~あべこべ世界で人助けをする事になりました~

絵本

***

 ――あれから数日、私とシラユキさんは、シェルディさんの手に渡らなかったアップルパイを食べたり、あえてたわいの無いことをしながら過ごしました。
 私はシラユキさんから目を離すことを禁じられたも同然で、ひとつ屋根の下で暮らすことになってしまったのです。

 と言っても安心して下さい。
 びっくりするほど、何もありませんでした。

 シラユキさんは、私にベッドを貸してくださいました。
 というか、私がソファで寝ると言ったのですが、聞く耳を持ってくださいませんでした。
 ベッドなんかで寝てしまったら、ふかふかベッドでのんびりしてしまうのは確実。シラユキさんが何かゴソゴソやっても気づかないかもしれません。
 ですから、私はソファがいいと言ったのですが、

『女の子にそんなことできない』

 と、こんな時ばかり紳士的なことをしてきたのです。
 私は断るに断れなく、ベッドで寝ることを了承したのでした。

 シラユキさんは私がこの世界に迷い込む前、普通に暮らせてきた過去も存在します。――関係性は複雑ですが。
 私が来てしまったから、世界に歪みが生まれたのかもしれない。あくまで推測ですが、もしそうなのであれば尚のこと、私は彼らの為に動かなければなりません。
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