おとぎ話と秘密の物語~あべこべ世界で人助けをする事になりました~
選択肢→①
私はモランゴさんから頂いたバタフライナイフを取り出して、シラユキさんに突きつけました。
「……そういえば、私も持っていたんです。ナイフ」
シラユキさんが私の目の前にナイフを向けるように、私も彼にナイフを向けました。
シラユキさんは、呆気に取られたように目を見開きます。
それもそうでしょう。
私がナイフを持っているなんて思いもしないでしょうから。
バタフライナイフなのでシラユキさんの物よりは小さいですが、これで刺されれば深い傷を負うことができます。
刃物とは、そういったものです。
「なんで、持ってるの……」
「何故でしょう……先日頂いたんです。まさかここで役に立つとは思いませんでした」
私はシラユキさんの震えた声に対し、冷静に答えます。
私が何故ここまで冷静にいられるのかわかりませんが、一周回って――というやつでしょう。
私はシラユキさんに刃を向けたまま、
「今ならシラユキさんにも勝てる気がします」
真っ直ぐに見つめて言いました。
するとシラユキさんはナイフを下ろし、力が抜け落ちたように床にカチャリ、とそれを捨てました。
「あっ、ぁぁ……っ」
シラユキさんは、子供のように大粒の涙を流しながら首を横に振ります。
「ゆるして、ください……っ何でも、するから……ぅっ……。許して……、許して……っ」
「しら、ゆきさん……?」
私はナイフを下ろし、シラユキさんに触れようとします。
しかし、「やめて」と振り切られてしまいました。
「――シラユキは、尖ったものがトラウマなんだ」
「え……?」
私の後ろで、シェルディさんは左腕を抑えながら言いました。
私が彼の方を向いたその時です。
勢いよく扉が開かれ、ティアさんが血相を変えて飛び込んで来たのです。
私はティアさんの方へ近づくと安堵したように言いました。
「っ……ティアさん! いいところに来て下さいました……! 今この状況にどうしようかと思って――」
グサリ。
「――え?」
突然、自分の身体に鋭い痛みと、変な感覚が襲ってくるのがわかりした。
ジリジリと、痛みを発する部分から熱を帯びていくのを感じながら、私は、静かに腹部から伸びる棒の先を見据えました。
彼は、腰に下げていたレイピアを私に突き刺したのです。
「っく……ぅ」
じわじわと刺し込まれ、レイピアの限界まで貫かれた私に向かって、ティアさんは言いました。
「貴方は……、選択を間違えました。彼らを守る立場にいなくてはならない人が、彼らを傷つけていいわけがありません」
「ティ、アさん……」
その先を言おうにも言葉が上手く出ません。
私、間違えたんですね。
あれ、ていうか夢なのに……私はここで死んじゃうんですか……?
痛みを感じるのも、もしかして錯覚、なんですか……?
レイピアを抜かれると同時に、私は力が抜けてどさり、とその場に倒れ伏せました――正確には、ティアさんに抱き止められていました。
「――やり直して下さい。もう一度」
自分の身体から血の気が無くなって、物理的にも血がドバドバと流れているのに、目の前に刺した本人がいるのに、
「……わかり……、ました……」
何故か優しくて、私は返事をすると大人しく目を閉じました――。
そこからプツン――と意識が途絶えて、痛みも感覚も無くなるまでが一瞬で――。
目を覚ますまでも瞬きひとつの事のように思えました。
「――何故こんなことをするんですか……っ!」
そう言って、シラユキさんとシェルディさんの間に割り込みます。
はっと気づいた時には飛び出していました。
……本当にやり直しになりました。
あまりの一瞬さに、逆に気が遠くなると言いますか、まだ腹部がズキズキ痛むのを感じます。
ですが、シラユキさんが傷つくことに比べたら、きっと屁でもないのです。
「……どいてよ」
「…………どきません、絶対」
私は目の前にいる、シラユキさんと対峙して考えます。
何、選択肢がひとつ減ったのです。
――大丈夫です。今度こそは間違えませんし、結果ダメでも夢ですからなんとかなります。実際、今なんとかなったんですから。
私は目の前の状況を見て、選びます。
→小テーブルの花瓶を手に取る
→ナイフを直接握り締める
「……そういえば、私も持っていたんです。ナイフ」
シラユキさんが私の目の前にナイフを向けるように、私も彼にナイフを向けました。
シラユキさんは、呆気に取られたように目を見開きます。
それもそうでしょう。
私がナイフを持っているなんて思いもしないでしょうから。
バタフライナイフなのでシラユキさんの物よりは小さいですが、これで刺されれば深い傷を負うことができます。
刃物とは、そういったものです。
「なんで、持ってるの……」
「何故でしょう……先日頂いたんです。まさかここで役に立つとは思いませんでした」
私はシラユキさんの震えた声に対し、冷静に答えます。
私が何故ここまで冷静にいられるのかわかりませんが、一周回って――というやつでしょう。
私はシラユキさんに刃を向けたまま、
「今ならシラユキさんにも勝てる気がします」
真っ直ぐに見つめて言いました。
するとシラユキさんはナイフを下ろし、力が抜け落ちたように床にカチャリ、とそれを捨てました。
「あっ、ぁぁ……っ」
シラユキさんは、子供のように大粒の涙を流しながら首を横に振ります。
「ゆるして、ください……っ何でも、するから……ぅっ……。許して……、許して……っ」
「しら、ゆきさん……?」
私はナイフを下ろし、シラユキさんに触れようとします。
しかし、「やめて」と振り切られてしまいました。
「――シラユキは、尖ったものがトラウマなんだ」
「え……?」
私の後ろで、シェルディさんは左腕を抑えながら言いました。
私が彼の方を向いたその時です。
勢いよく扉が開かれ、ティアさんが血相を変えて飛び込んで来たのです。
私はティアさんの方へ近づくと安堵したように言いました。
「っ……ティアさん! いいところに来て下さいました……! 今この状況にどうしようかと思って――」
グサリ。
「――え?」
突然、自分の身体に鋭い痛みと、変な感覚が襲ってくるのがわかりした。
ジリジリと、痛みを発する部分から熱を帯びていくのを感じながら、私は、静かに腹部から伸びる棒の先を見据えました。
彼は、腰に下げていたレイピアを私に突き刺したのです。
「っく……ぅ」
じわじわと刺し込まれ、レイピアの限界まで貫かれた私に向かって、ティアさんは言いました。
「貴方は……、選択を間違えました。彼らを守る立場にいなくてはならない人が、彼らを傷つけていいわけがありません」
「ティ、アさん……」
その先を言おうにも言葉が上手く出ません。
私、間違えたんですね。
あれ、ていうか夢なのに……私はここで死んじゃうんですか……?
痛みを感じるのも、もしかして錯覚、なんですか……?
レイピアを抜かれると同時に、私は力が抜けてどさり、とその場に倒れ伏せました――正確には、ティアさんに抱き止められていました。
「――やり直して下さい。もう一度」
自分の身体から血の気が無くなって、物理的にも血がドバドバと流れているのに、目の前に刺した本人がいるのに、
「……わかり……、ました……」
何故か優しくて、私は返事をすると大人しく目を閉じました――。
そこからプツン――と意識が途絶えて、痛みも感覚も無くなるまでが一瞬で――。
目を覚ますまでも瞬きひとつの事のように思えました。
「――何故こんなことをするんですか……っ!」
そう言って、シラユキさんとシェルディさんの間に割り込みます。
はっと気づいた時には飛び出していました。
……本当にやり直しになりました。
あまりの一瞬さに、逆に気が遠くなると言いますか、まだ腹部がズキズキ痛むのを感じます。
ですが、シラユキさんが傷つくことに比べたら、きっと屁でもないのです。
「……どいてよ」
「…………どきません、絶対」
私は目の前にいる、シラユキさんと対峙して考えます。
何、選択肢がひとつ減ったのです。
――大丈夫です。今度こそは間違えませんし、結果ダメでも夢ですからなんとかなります。実際、今なんとかなったんですから。
私は目の前の状況を見て、選びます。
→小テーブルの花瓶を手に取る
→ナイフを直接握り締める