おとぎ話と秘密の物語~あべこべ世界で人助けをする事になりました~
「何か言ってご覧なさいよ!」
モヴェーヌはシュネージュの何もかもが気に食いません。
黙って受け止める行為は、逆に逆撫でする行為でもありました。
シュネージュはどちらにせよ言われるのであれば――と、素直に想いを伝えます。
「……僕はお義母様のこと、初対面の時、とても綺麗だと思いました。誰から見ても……美しいと」
「嘘をおっしゃい! 私のことなど穢れた獣人族としか思っていないでしょうに!」
「嘘じゃありません……っ! 僕は、種族など興味がありませんし、穢れただなんてそんなこと……」
シュネージュは首を横に振りました。
しかしモヴェーヌの怒りは収まりません。
「口答えをしないで頂戴!!」
そう言うよりも早く、手がぐわっと伸びました。
シュネージュは咄嗟に両腕を前にして、顔を覆い隠します。
その瞬間――。肉を抉る不快な音と鋭い痛みを感じて、シュネージュは顔を歪めました。
「っぁ、あぁぁ!」
焼けるような熱を帯びた左腕からはドクドクと血が溢れ出しています。ぎゅっと掴み止血を試みますが、そんな簡単にはいきません。せめて布で縛り上げることができれば……そう思っても、目の前には、自身の手の爪を赤く汚したモヴェーヌが立っています。
何で誰も助けに来てくれないの……っ。
シュネージュは不覚にもそう考えてしまいました。
しかし、お父様はモヴェーヌ側の人間です。
いくらシュネージュが実の子だとしても、モヴェーヌを止めることはありません。
メイドや執事も少なく、この部屋からは遠くです。
モヴェーヌはシュネージュの何もかもが気に食いません。
黙って受け止める行為は、逆に逆撫でする行為でもありました。
シュネージュはどちらにせよ言われるのであれば――と、素直に想いを伝えます。
「……僕はお義母様のこと、初対面の時、とても綺麗だと思いました。誰から見ても……美しいと」
「嘘をおっしゃい! 私のことなど穢れた獣人族としか思っていないでしょうに!」
「嘘じゃありません……っ! 僕は、種族など興味がありませんし、穢れただなんてそんなこと……」
シュネージュは首を横に振りました。
しかしモヴェーヌの怒りは収まりません。
「口答えをしないで頂戴!!」
そう言うよりも早く、手がぐわっと伸びました。
シュネージュは咄嗟に両腕を前にして、顔を覆い隠します。
その瞬間――。肉を抉る不快な音と鋭い痛みを感じて、シュネージュは顔を歪めました。
「っぁ、あぁぁ!」
焼けるような熱を帯びた左腕からはドクドクと血が溢れ出しています。ぎゅっと掴み止血を試みますが、そんな簡単にはいきません。せめて布で縛り上げることができれば……そう思っても、目の前には、自身の手の爪を赤く汚したモヴェーヌが立っています。
何で誰も助けに来てくれないの……っ。
シュネージュは不覚にもそう考えてしまいました。
しかし、お父様はモヴェーヌ側の人間です。
いくらシュネージュが実の子だとしても、モヴェーヌを止めることはありません。
メイドや執事も少なく、この部屋からは遠くです。