剛腕SATな旦那様は身ごもり妻を猛愛で甘やかす~利害一致婚のはずですが~

「俺が信頼できなかった?」
「そ、れは……」

 いたたまれなくなり、そっと目を逸らす。
 信頼できなかったのではない、愛しているからこそ嫌われるのが怖かったのだ。
 けれど、それは自分勝手な言い訳にしかならない。
 鳴海は迷いの残る真綾の瞳をまっすぐ射抜いた。

「俺は結婚したときに、真綾を一生大事にするって心に決めたんだ! 子どものことだって、お父さんのことだって隠さないで一番に知らせてほしかった!」

 鳴海はさらに声を振り絞った。

「愛しているんだ。生まれてくる子どもごと、俺に守らせてほしい」
「太陽さん……」

 鳴海の決意はたしかに真綾の心を揺り動かした。

「真綾」

 セダンの後部座席の扉が開き、誰かが出てくる。

「お父さん? どうしてここに?」

 セダンから降りてきたのは父だった。

「し、真綾に――」

 ボソボソとつぶやきながらこちらにやってくる、その目が突如大きく見開かれる。

< 122 / 132 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop