剛腕SATな旦那様は身ごもり妻を猛愛で甘やかす~利害一致婚のはずですが~

(これでよかったんだよね?)

 病院から出た真綾は秋風に吹かれながら、膨らみ始めたお腹をなでた。
 あのとき、山荘に連れて行かれた真綾はお腹の子どもを守ろうと必死だった。

(ああ、そうか――)

 これまでずっと心の中に渦巻いていたものが、すとんと腑に落ちていく。
 真綾を庇って亡くなった母も同じ気持ちだったのかもしれない。
 頭より先に身体が動いて、そこには理由なんてひとつもなくて。
 ――ただ、守りたかった。

「真綾、おかえり。どうだった?」

 すっかり黄昏れていた真綾に、鳴海が話しかける。

「太陽さん、聞いてくれますか?」

 それなら、真綾もいい加減に前を向いて生きていかなければ。
 せっかく両親が守ってくれた命なのだから。
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