剛腕SATな旦那様は身ごもり妻を猛愛で甘やかす~利害一致婚のはずですが~
「おっと悪いな、駿太。今日ばかりはママをパパに譲ってくれよ」
太陽は駿太を抱っこしながら、剥き出しにされた真綾の肩を抱いた。
「うー」
大好きなママと長い間離され、駿太はいかにも不満げで今にも泣きだしそうだ。
『結婚式は出産が終わったあと、三人でやろう』
結婚式は産後の体調が落ち着いてからと提案してくれたのは太陽だ。
仕事と子育てに忙しい合間を縫い準備に明け暮れること半年。ふたりはようやく念願の結婚式を挙げられる。
列席者はそう多くない。
鳴海の上司と同期、真綾の同僚、友人。もちろん織恵も招待している。
そして――。
「駿太。ほうら、ジイジのとこにおいで」
「ジジ!」
泣きそうになっていた駿太は、父がやってくるとすっかりご機嫌になり抱っこをせがんだ。
父は退院したのち、太陽から紹介してもらった専門家のカウンセリングを受け始めた。
きちんと債務整理を行い、借金はすべて清算した。
現在は週二、三回事務員として細々と働いている。
驚くべきことに、父は大変な孫煩悩になった。
出産後、仕事に復帰する真綾に代わり駿太のお守りを買って出てくれたのは父だった。
今や駿太の送迎と食事の世話はお手のもの。
駿太も父が大好きで抱っこされるといつもうれしそうに頬を寄せている。
なんて幸せな光景だろう。幸せすぎて眩暈がしそうだ。