剛腕SATな旦那様は身ごもり妻を猛愛で甘やかす~利害一致婚のはずですが~
「うわあ、綺麗ですね!」
「そうだね」
マンションに帰る前に、ふたりは足を伸ばして山頂にある展望台にやってきた。
気まぐれに吹く風が頬をなで、ワンピースの裾をはためかせていく。
展望台からは街を一望できた。
普段は意識しないけれど、こうしてみると真綾達の住む街にはたくさんの人達が暮らしていることがわかる。
手すりに身体をあずけ、しばらく見入っていると鳴海が口を開く。
「真綾ちゃん、ちょっとだけ目を瞑ってくれる?」
「なんですか?」
「いいから」
突然のお願いを訝しみつつ、言われた通りに目を瞑る。
その数秒後、首に何かヒヤリとしたものが触れた。
(な、なに!?)
真綾は驚いて肩をすくませた。
「もう目を開けていいよ」
鳴海から許可が出てようやく目を開けば、真綾を驚かせたものの正体が判明する。
首もとにはネックレスがぶら下げられていた。
「あの、これ……」
「婚約指輪の代わり」
「いいんですか?」
「真綾ちゃんに似合うと思って買ったんだ。受け取ってもらえるとうれしい」
真綾は自分の首もとを彩るネックレスに目を向けた。
流れ星のような白銀のチェーンの先には一粒のダイヤモンドが夜景の輝きに負けていない光を放っている。