剛腕SATな旦那様は身ごもり妻を猛愛で甘やかす~利害一致婚のはずですが~
「今日はどれにする?」
二カ月もあれば、夜の過ごし方も自ずとパターン化されてくる。
食器を片づけ風呂を済ませたあと、サブスク登録している動画配信サービスで映画を一緒に見るのが最近の日課になりつつある。
「うーん。太陽さんのオススメで」
真綾が見たいものを提案するときもあるけれど、今日は任せてみた。
「じゃあ、これかな?」
鳴海は配信されたばかりのハリウッドアクションムービーを選んだ。
飲み物と簡単につまめるお菓子を用意して、リビングのソファに座り肩を並べる。
(SATの隊員だし、アクション映画が好きなのかな?)
鳴海が選ぶのは大抵、主人公が身体を張り、火薬が大量に使われる派手な映画ばかりだ。
真綾はいつも映画そっちのけで、鳴海の横顔に気を取られている。
そうして、なにごともなく二時間が過ぎる。
「結構面白かったな」
「そうですね」
目を惹く派手な戦闘シーンも多かったが、社会派の骨太なストーリーで、人間関係が細やかに描かれている良作だった。
「さて。そろそろ寝るか」
鳴海のひと言で、真綾はピクンと身体を強張らせた。
にわかに心臓の鼓動が早くなる。
「あ、あのっ!」
「ん?」
もう少しだけ一緒に過ごしたい。
たったひと言伝えるだけなのに、言葉が喉に張り付いて、どうしても出てこない。