剛腕SATな旦那様は身ごもり妻を猛愛で甘やかす~利害一致婚のはずですが~
「真綾」
「あ、んっ……」
首筋を甘噛みされ、身体がビクンと跳ねた。
いつの間にか彼は"真綾ちゃん"ではなく"真綾"と呼ぶようになっていた。
ふたりを間を隔てる邪魔な布を剥ぎ取りながら、鳴海は何度もささやく。
「好きだよ」
臆面もなく愛を伝え、夢中で真綾の身体を啄む。
鳴海と身体を重ねる度に、狂おしいほどの愛しさが募る。
鳴海はなぜ真綾があれほど雷を怖がっていたのか、問いたださなかった。
その代わり、天気が悪い日は何も言わずにぎゅっと抱きしめてくれる。
鳴海の腕の中にいるときは、なにも考えず穏やかな気持ちでいられる。
(幸せすぎて怖い)
どうかこの幸せが長く続いてほしいと、願わずにはいられなかった。