甘い仮面に騙されない!
重力に逆らうようにして、扉が突然引かれた。
あわてて外のブロック塀に身をひそめると、黒髪ショートのセクシーな美女が家の中から飛び出してきたからあんぐりする。
………ちょっと待ってよ。まさか。
冷や汗たらり。
心臓はバクバク鳴り始める。
一旦引き返そうと一歩、二歩。後ずさりしたところ、
「─────そろそろしつけーよ、お前」
間もなくして、冷えきった言葉が落ちてきた。
………………絶句。
「イヤだよ……わたし錬くんがいないと生きていけないの…っ。ほんとだよ…錬くんしか好きじゃないんだよ……!」
「あーうん。もういいわ。サラリーマンの本命にでも慰めてもらえれば?」