甘い仮面に騙されない!

きちんとセットされた髪は前髪が上がってて、
シャツのボタンは今日も一番上まで全部留まってる。


ふん。 見た目だけは今日もずいぶん爽やかだこと。




「早く行ってよね。私電車一本遅らせるから」



ちょっと嫌味を含ませてそう催促すると、「あのさー」って全然急ぐ気ない声が落とされた。



「お前今日何時に帰ってくる?」

「へ?……ええっと…18時、とか」

「ふーん。じゃ、お先」



抑揚のない声が返ってきたかと思えば、そのままドアノブが引かれて家を出ていく小宮山 錬。


え、えー…。なんだったの。………?



…って、ちがうちがう。
小宮山 錬の言うことなんてど~~でもいいです。



次の電車の時間チェック、火の元点検その他もろもろ確認して、私も家を出た。



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