甘い仮面に騙されない!
〈 ───小宮山 錬くんへ 〉
便箋のまんなか。 綺麗な字で、丁寧に書かれている宛名を見てため息が出る。
「ほんとに好きなら靴箱まちがえんなや」
「れんれんコワイコワイ」
隣の栞那、苦笑い。
同じ名前だとこういうことがよくあるから、ほんとうにやだ。
靴箱にも苗字のうしろ、ちゃんと『恋』ってしたの名前大きく書いてあるのにな。
「いつもれんれんが錬くんの靴箱に入れ直してあげてるのに、錬くんも女の子たちもなーんにも知らないなんて悔しい」
「いーのいーの」
べつに善意でやってるつもりないし。
右から3、上から4。
名前のところ、『小宮山』しか書かれてない靴箱にラブレターを入れて、栞那と昇降口をでる。