屈辱なほどに 〜憎き男に一途に愛を注がれる夜〜
「…待って、阿久津さんっ。そこは…」

「待たない」


阿久津さんのわたしを捉える瞳から目が離せない。

阿久津さんからの刺激にすっかり溺れてしまったわたしはされるがまま。


「抵抗しなくていいのか?憎い男に抱かれてるけど」


そんなこと、…言われなくてもわかってる。


でも、今夜だけは…。

阿久津さんでいっぱいに満たしてほしい。


「心晴、こっち向いて」


阿久津さんが、初めてわたしのことを『心晴』と呼んだ。

今まで、とくに呼ばれることもなかったのに。


こんなときに名前で呼ぶなんて…ずるい。


「阿久津さっ…ん、わたし…もうそろそろ…」

「逃さない。俺は、もっとかわいい心晴を見ていたい」


いつもはスマートな阿久津さんが、わたしを熱く求めて離さない。

次から次へと押し寄せる刺激の波に、わたしの身が持ちそうにない。
< 68 / 88 >

この作品をシェア

pagetop