屈辱なほどに 〜憎き男に一途に愛を注がれる夜〜
『逃さない。俺は、もっとかわいい心晴を見ていたい』


ベッドの上で、阿久津さんの愛に溺れたときだ。

思い出すだけで顔が熱くなる。


「がんばり屋で家族思い。芯がしっかりとしていて、どんな逆向にもくじけない。そんな心晴を間近で見てきて、好きにならないわけないだろう?」

「…なっ、なにを言って…」

「本当のことだ。だから、心晴の気持ちも聞かせてほしい」


聞かせてほしいって言ったって――。


わたしはきゅっと唇を噛んだ。


「阿久津さんは、“美風商店街の敵”というイメージしかなくて…大嫌いでした。…でも」

「“でも”…?」

「本当は、この地域の人たちのことも考えてくれていて。勘違いされて恨まれながらも、裏では助けになるようにと人一倍動いてくれていた…陰のヒーロー」


わたしがそう言うと、はにかむようにして阿久津さんの口角が上がった。
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