屈辱なほどに 〜憎き男に一途に愛を注がれる夜〜
「絶対好きになるわけないと思っていたのに…。今では…すっかり、阿久津さんに惹かれています」


少し前までのわたしじゃ考えられなかったことだろう。

だけどたしかに、わたしは今目の前にいるこの人のことが……好きだ。


「…たまらないな。これから心晴のこんなかわいい顔を毎日見られると思ったら」

「か、かわいいって…」

「いいだろ。久しぶりの彼女に浮かれてるんだから」


そう言って、阿久津さんはやさしくわたしを抱きしめた。


「心晴、好きだ。愛してる」

「阿久津さん…。わたしもですっ」


わたしたちは熱い視線で見つめ合うと、そっと唇を重ねたのだった。


* * *


――それから2年後。


美風商店街の跡地に、アーバンオアシスが計画していた大型ショッピングモールが建設された。
< 86 / 88 >

この作品をシェア

pagetop