御曹司からの愛を過剰摂取したらお別れするのが辛くなります!
 私は友人たちが歓談してる間にドリンクの準備を始めた。
「凜々子さん、これ、お土産の焼き菓子です」
「ありがとうございます。わぁ! このお店のケーキは大人気ですぐに売り切れちゃうんてすよね。焼き菓子も美味しいですよね」
「そうなんです! 私もこのお店のケーキが好きです」
 ポツン……と一人でキッチンにいると片岡さんという中学時代からの碧唯さんの友人の彼女、紗奈さんが紙袋から箱を取り出して渡してくれた。紗奈さんからいただいた箱菓子は大人気の有名店のものだった。

 紗奈さんは間近で見ると目くりくりしていて、より一層可愛い。
「私もお手伝いしますよ」
「え、でも……」
「片岡と宮野内さんは中学時代からの親友なんです。だから、私も凜々子さんと仲良くしたいので遠慮なく」
「そうなんですね! 私も是非仲良くしたいです。よろしくお願いします」

 私は戸惑っていたが、紗奈さんにも手伝ってもらうことにした。碧唯さんの友人たちには先にドリンクを飲んでてもらい、私は紗奈さんと会話を続ける。
「凜々子さんは何歳ですか? 私より若いよね?」
「私は二十六です」
「そっか、やっぱり年下だね。私は二十八だよ」

 紗奈さんはふんわりと柔らかい物言いをする方で、とても話しやすい。一人っ子の私にお姉ちゃんができたような感覚に陥るくらいに波長が合いそうだ。

「みんな、お待たせー!」
 玄関の施錠が解除される音がすると、みちるさんが真っ先に入ってきた。
「どこに並べますか?」
 みちるさんのあとに続いて、ケータリングのスタッフの方が二名入ってきた。

「そうね……、ソファー前のテーブルじゃ狭いわよね?」
 私はソファー前に座ろうと思っていたのだが、みんなが座っているのはダイニングテーブルの椅子だった。そこには私の料理が並んでいるため、ケータリングの料理を並べられない。スタッフの方も困っている。

「……今、移動しますから、こちらに並べていただけますか?」
 私は自分の作った料理をソファー前のテーブルへと移動した。ダイニングテーブルの空いた場所から、ケータリングの料理がどんどん並べられていく。料理は全て小分けされているもので一種類につき、六個ずつある。ローストビーフもあるし、私の料理が貧相に見えるくらいに豪華な料理が並び、まるでホテルのブッフェコーナーの一角のようだ。

「お早めにお召し上がりください。消費期限は三時間後の夕方四時までで設定しております」
 料理が全て並べ終わるとスタッフの方々は部屋から出て行った。
< 14 / 30 >

この作品をシェア

pagetop