[慶智の王子・伊集院涼介の物語]冷酷弁護士と契約結婚
最近では俯くことも少なく、よく笑顔を見せてくれるし、よく話をするようにもなって彼女自身の事も少しずつ分かってきた。


彼女は幼いことから異性から嫌な思いをさせられ、男性に対して不信感があるらしい。その都度加害者側から『お前が誘った』 『お前のせいだ』などと言われ続けた。


だからなのだろ、極力男性との接触を避け、今まで恋人もいなかったし、手をつないだことすらもなかった。


やはり契約にスキンシップと手をつないで寝ることを入れて正解だ。まぁ、少しずつ俺に触れられることに慣れてきてはいるが。






彼女はもっと自分が魅力的であることを自覚した方がいい。


先日伊集院総合法律事務所創立記念パーティーで、初めて彼女を妻として正式に披露したが、そこにいた男たちからの熱い視線に全く気が付いていない......、無自覚とは恐ろしい。


俺のものだと彼女の腰に腕を回し、人々に自分の妻だと触れ回った。





男慣れしていない彼女のためにスキンシップを始めたが、いつの間にか俺の方がもっと鈴音を欲している。


彼女をもっと甘やかしたい、もっと触れたい。いつも側にいてあの無邪気な笑顔を見ていたい。鈴のなるような声でもっと俺の名前を呼んで欲しい。あの甘そうな唇を味わいたい。彼女の白い肌を俺の印で埋め尽くしたい。俺の下で彼女を乱れさせ、早く自分のものにしてしまいたい......。

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