騎士団長様、クビだけは勘弁してくださいっ!

 カチ、カチ、という時間の過ぎていく音は私達の耳には入らないくらい、部屋の中は騒がしかった。気付けばもう外は真っ暗闇。そして、最後の作業に差し掛かり……


「これで終わり?」

「だな」

「よっしゃあ! 終わったぁ!」


 よっしゃあ! という先輩方の声を聞き、ホッと息を吐いた。

 1班の班長である第三騎士団副団長が、私達がこなした資料に必要なデカルド団長のハンコをもらいに行ってくれると言ってくれた時にはもう先輩たちは大喜びだ。もちろん私もである。

 後片付けをしつつ、んじゃ帰るか~という声でぞろぞろと部屋を出ていく先輩達を見送りつつ後片付けを。

 けれど、何となく、急いでしまう。早く帰らなくてはと思ってしまう。

 私の頭の中にあるのは、あの言葉。でも、果たして来ているだろうか。もう深夜のこの時間で、部屋には鍵がかかってる。窓だって閉めてある。

 一応彼は来ると言っていたけれど……私がいなかったら帰ってしまうかもしれない。うん、きっとそうだ。どうせ私の事なんて興味本位だったんだから、いなかったらいなかったで帰っていったに違いない。

 内心焦りつつも、事務室を出た。そして、東棟を出て王城敷地内にある女子寮へ急いだ。
< 9 / 124 >

この作品をシェア

pagetop