面社長のお見合い8連敗~庇護欲強めの恋愛初心者でした~

「会社として輪を取り乱すようなことをする人間は必要ない」

 言っていることは正論だが、なぜそんなに冷たいことを言うのだろう。

「申し訳ありませんでした。心から反省し、精一杯学んで、会社の役に立ちたいという決意でいっぱいです」

 真央ちゃんも覚悟を決めたのだろう。大きな声で自分の気持ちを伝えている。

 熊崎社長は彼女の言葉に耳を傾けていた。

「失敗というものは人間には必ずつきものだ。どう反省し受け止めて成長していくかは自分次第だ。この失敗を活かすことと、守ってくれた先輩に感謝を忘れないことを約束してくれるか?」

「はい」

 しばらく間があったが、熊崎社長は引き出しから彼女の退職届を出した。そして目の前で破ってくれたのである。

「頑張ってくれ」

「ありがとうございます!」

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