不埒な一級建築士と一夜を過ごしたら、溺愛が待っていました
なんでもできる人
服を着てリビングへ行く。
「簡単で悪いが、レタスチャーハンを作った」
「レタスチャーハン!?」
「ん? レタスは嫌いか?」
「いいえ、そうじゃありません。チャーハンだけでもすごいのに、レタスが入っているとなんだか上級者の匂いがします」
「なんだそれ。大したものじゃないぞ? 食べよう」
「はい、いただきます」
手を合わせて、私は一口食べた。
お米がちゃんとパラパラになっていて胡椒が効いている。
「おいしいです! レタスのシャキシャキ感がいいですね!」
この人はなんでもできるんだなと恐れおののきながら、私はパクパク食べた。
食後に片づけをすると志願して、お皿などを洗っていると、黒瀬さんが後ろから抱きついてきた。
そればかりか、髪や耳に口づけてくる。
「黒瀬さん、洗いにくいです!」
「後ろ姿にグッと来たんだから仕方ない。エロい瑞希が悪い」
「なに言ってるんですか!」
顔が熱い。息が浅くなる。
恋愛なんて久しぶりできっと経験豊富な黒瀬さんに太刀打ちできるとは思えない。
彼にいたずらされながらなんとか洗い終わったら、くるりと向きを変えられて、濃密なキスをされた。
長く甘いキスで、腰が砕けそうだ。
かくんと膝が落ちた私を抱きとめて、「ベッドに行くか?」と黒瀬さんがささやく。
彼の匂い立つような色気にあてられてクラクラするけど、私はなんとか頭を振った。
「お風呂に入りたいです……」
「風呂か!」
言ったとたん、彼がニヤリと笑った。やけにうれしそうだ。
嫌な予感がして、慌てて言う。
「一人でゆっくり入りたいんです!」
「遠慮するな。しっかり洗ってやるから」
「け、結構です!」
「まぁまぁ」
結局、風呂場へ連れ込まれ、隅々まで洗われた。
洗髪は美容院のように気持ちよかったけど、それからは不埒な手に翻弄されて、お風呂を出るときには息があがっていた。
ベッドにもつれ込むように倒れる。
黒瀬さんと目が合うと、磁力が発生しているかのように惹きつけられ、唇が近づいた。
優しいキスから深いキス。
(黒瀬さんのキス、好きだな)
唇を食まれるたびにジンとした快感が生まれ、私の官能を目覚めさせる。こんなの初めてだ。
キスがうますぎる。
経験値の違いを感じて、少し落ち込みそうになる。
(本気になったらいけない人だわ。きっと私には手に負えない……)
「瑞希……俺に集中しろ」
気が逸れたのを感じたのか、黒瀬さんは私の頬に手を当て、目を覗き込んでくる。
すると、さっきの自戒など吹っ飛んで、心が彼にからめとられる。
彼の舌が私の唇をノックする。口を開けと催促するように。
おずおずと口もとを緩めたら、ねじ込むように彼の舌が侵入してきた。
それからはもう彼を感じることしかできなかった。
「簡単で悪いが、レタスチャーハンを作った」
「レタスチャーハン!?」
「ん? レタスは嫌いか?」
「いいえ、そうじゃありません。チャーハンだけでもすごいのに、レタスが入っているとなんだか上級者の匂いがします」
「なんだそれ。大したものじゃないぞ? 食べよう」
「はい、いただきます」
手を合わせて、私は一口食べた。
お米がちゃんとパラパラになっていて胡椒が効いている。
「おいしいです! レタスのシャキシャキ感がいいですね!」
この人はなんでもできるんだなと恐れおののきながら、私はパクパク食べた。
食後に片づけをすると志願して、お皿などを洗っていると、黒瀬さんが後ろから抱きついてきた。
そればかりか、髪や耳に口づけてくる。
「黒瀬さん、洗いにくいです!」
「後ろ姿にグッと来たんだから仕方ない。エロい瑞希が悪い」
「なに言ってるんですか!」
顔が熱い。息が浅くなる。
恋愛なんて久しぶりできっと経験豊富な黒瀬さんに太刀打ちできるとは思えない。
彼にいたずらされながらなんとか洗い終わったら、くるりと向きを変えられて、濃密なキスをされた。
長く甘いキスで、腰が砕けそうだ。
かくんと膝が落ちた私を抱きとめて、「ベッドに行くか?」と黒瀬さんがささやく。
彼の匂い立つような色気にあてられてクラクラするけど、私はなんとか頭を振った。
「お風呂に入りたいです……」
「風呂か!」
言ったとたん、彼がニヤリと笑った。やけにうれしそうだ。
嫌な予感がして、慌てて言う。
「一人でゆっくり入りたいんです!」
「遠慮するな。しっかり洗ってやるから」
「け、結構です!」
「まぁまぁ」
結局、風呂場へ連れ込まれ、隅々まで洗われた。
洗髪は美容院のように気持ちよかったけど、それからは不埒な手に翻弄されて、お風呂を出るときには息があがっていた。
ベッドにもつれ込むように倒れる。
黒瀬さんと目が合うと、磁力が発生しているかのように惹きつけられ、唇が近づいた。
優しいキスから深いキス。
(黒瀬さんのキス、好きだな)
唇を食まれるたびにジンとした快感が生まれ、私の官能を目覚めさせる。こんなの初めてだ。
キスがうますぎる。
経験値の違いを感じて、少し落ち込みそうになる。
(本気になったらいけない人だわ。きっと私には手に負えない……)
「瑞希……俺に集中しろ」
気が逸れたのを感じたのか、黒瀬さんは私の頬に手を当て、目を覗き込んでくる。
すると、さっきの自戒など吹っ飛んで、心が彼にからめとられる。
彼の舌が私の唇をノックする。口を開けと催促するように。
おずおずと口もとを緩めたら、ねじ込むように彼の舌が侵入してきた。
それからはもう彼を感じることしかできなかった。