奈落の悪役メイドは孤高の御曹司に求愛される
そこは応接間というより、ホテルのラウンジのようだった。

部屋の中心には重厚感のある木製テーブルが置かれており、それを囲むように4人の人物がソファーに座っている。


1番奥の上座から、おじいさん、おばあさん。

その手前にいるのが入江くんのお父さんで……。



「りきくんもおかえり!」

「ん。ただいま。仕事は? まだ勤務時間中じゃなかった?」

「早めに片づけてきたの! もちろん後でちゃんと戻るよ。それより……」



1人1人顔を確認していると、入口の近くに座る若い女の人と目が合った。


入江くんと同様、艶やかな黒髪に透き通るような色白肌。

顔立ちも、目鼻立ちがハッキリした華やかな印象で、赤いリップがとても似合っている。


久世家の一員って言ってたけど、メイド服を着てるのなら、この人も職員さんなのかな?


目を輝かせながら近づいてくる彼女に会釈すると、ガシッと両手を掴まれた。



「はじめまして! 理貴人くんの従姉妹の久世 朱李といいます! よろしくね!」

「ゆ、弓崎 乃蒼と申しますっ。よろしくお願いしますっ」
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