しるべ
佳乃子は今オーストラリアで
日本語教師のアシスタントをしている。

若い頃から夢だった英語を使った仕事。
梓家族の住むブリスベンで
たまに梓の子供の世話をしながら。

「ミア!レオ!待って。」

孫達がこっちこっちと手を振っている。
かぼちゃの置物が所狭しと並び
街をオレンジに染めている。

この年齢でまさか夢を叶えるとは思わなかった。
でも梓からこの話を聞いた時に

「日本語を教えてくれる人を
友達が探しているんだけど」

二つ返事で承諾した。
梓はオンラインでの依頼だったが
私は夢を叶えるチャンスだと
思ってここまでやって来た。
日本語教師を目指して
今はまだアシスタントとして働いている。
いつまでできるかわからないけど
英語で溢れる場所で挑戦してみたかった。


梓が話しを持って来てくれたのは
浩介達がくる少し前だった。

日本を出る時、浩介達のことが心配で
家の管理をお願いした。
あの場所なら浩介達を
助けてくれる人たちが
たくさんいるからと思って。

今あの家に二人が引っ越して来ている。
柊斗に月に2回、オンラインで英会話を教えている。
その時に二人の様子がわかる。
柊斗は英語力がついて
先日英検の三級を取ったと
画面越しに見せてくれた。
浩介は少しふっくらとしてきた。
柊斗が中学に入って部活を始めてから
一緒に過ごす時間が
少なくなったとぼやいてたけど
二人はいつも楽しそう

浩介といた20数年
楓と梓を育てた20年
一人でもがいた13年
どの時代も私は精一杯生きた大事な時代

一人で頑張ったこの13年
ますます私は私が好きになれた。

この余韻を力に
私はまだまだ
好きなことができる。



これからも自分の足で
行きたいと思った所へ
なりたい自分へ
自分の力で
向かっていける
何歳になっても挑戦していたい


「もうー」
そう言って佳乃子は
ミアとレオの元へと歩いていった。


end
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