大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)
【はーばーらいと】
(ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!!バリバリバリバリバリバリバリバリバリ!!ドスーン!!ドザー!!)
時は、8月22日の午前11時過ぎであった。
この日は、朝から雨が降っていた。
昼前から昼過ぎにかけて雷を伴った非常に激しい雨が断続的に降ると朝方の天気予報で伝えられた。
ところ変わって、てつろうの実家にある広い土間にて…
(土間の右側に浴室と洗面所、左側にくみ取り式のトイレがある)
(ジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブ…)
遥輝《はるき》は、水とシャボン(センタクせっけん)が入っている大きめのタライの中にセンタク板をセットした状態でセンタク物をこすっていた。
遥輝《はるき》は、調子がものすごく悪いので勤めを休んでいた。
この最近、弘輝《ひろき》がガッコーで暴れるようになった…
昌輝《まさき》が大学へ行かずにプラプラとするようになった…
われを忘れたてつろうがゆりこと結婚したいと言うて甘えている…
この家の家族たちは、どうなっているのだ…
………………
遥輝《はるき》は、ブツクサ文句言いながらセンタクをしていた。
そんな遥輝《はるき》のもとに、和子がやって来た。
「おにい。」
「なんや!!」
「そんなしんどいことしなくても、新しい洗濯機を買い直したらいいと思うけど…」
「できたら新しい洗濯機がほしいよ!!だけど、半兵衛《クソジジイ》のせいで洗濯機が買うことができないのだよ!!」
「そうよね…半兵衛がお人好しだから洗濯機が買うことができないのよ…」
「和子。」
「なによ?」
「大広間に客が来ているのか?」
「裸女《あのおんな》のオニイの家族たちよ。」
「裸女《あのおんな》を迎えに来たのか?」
「そうよ…これでうちはめでたしめでたし…裸女《あのおんな》も、明日からはオニイの家族たちとしあわせに暮らすのよ…裸女《あのおんな》は、家族たちのもとに帰ったらしあわせになれると思う?」
「なれる…オニイたちはやさしい人だから大丈夫だよ…やさしい人たちに囲まれて暮らすほうがしあわせだよ…」
「そうよね。」
(ジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブ…)
それからまた10秒後であった。
遥輝《はるき》は、ブツクサ文句言いながらセンタクをした。
またところ変わって、家の大広間にて…
大広間のテーブルに豊《ゆたか》の最初の妻の三男でゆりこの三義兄《さんけい》である井端拡和《いばたひろかず》(39歳・医師)と妻・このみ(44歳・専業主婦)とふたりの息子・保昭《やすあき》(9歳)と富士夫《ふじお》(4歳)の4人家族と白のバスローブ姿のゆりこがいた。
半兵衛《はんべえ》とまさよとあずさの3人は、大広間のとなりにあるダイニングキッチンのテーブルのイスに座っていた。
3人は、心配げな表情で大広間を見つめていた。
このみは、ゆりこに対してやさしい声で言うた。
「ゆりこさん…ゆりこさん。」
「(ゆりこ、ひねた声で言う)なによ〜」
「ゆりこさん、一緒におうちに帰ろうね。」
「帰るおうちなんかないわよ!!」
「あるわよ。」
「どこにあるのよ!?」
「これから一緒に帰るのよ。」
ゆりこは、ますますひねた声で言うた。
「ゆりこ!!信用できない!!」
「ゆりこさん、ねえゆりこさん〜」
「なによ!!」
「ゆりこさんはどうしたいのですか?」
「どうしたいって?」
「ゆりこさんは、一人ぼっちで生きていくおつもりですか?」
「ゆりこは、悪いことをしたから帰るおうちがなくなったのよ!!」
「そんなことはないわよ〜…ゆりこさんには、私たち家族がいるのよ~」
「わけの分からないことを言わないでよ!!」
ゆりこは、ますますひねた声でこのみに言うた。
このみは、ものすごく困った声でゆりこに言うた。
「ゆりこさんは、松山で暮らしていた時に凶悪事件の被害に巻き込まれたよね…あやういところで命を落としそうになったよね…今まで、つらい思いをたくさんしたよね…」
「だからなによ!!」
「私たちは、ゆりこさんにやさしくしたいのです…私のご両親にゆりこさんのことをお伝えしました…私のご両親はかつて福祉施設の職員だったのでやさしい人なのよ…ねえあなた。」
このみからの問いに対して、拡和《ひろかず》はきのりしない声で『ああ。』と答えた。
このみは、やさしい声で保昭《やすあき》と富士夫《ふじお》に言うた。
「保昭《やすあき》、富士夫《ふじお》…ゆりこさんはたくさんつらい思いをしたからうちにいてもいいよね。」
「うん。」
保昭《やすあき》と富士夫《ふじお》は、やさしい声でゆりこに言うた。
「ひとりじゃないよ。」
「ひとりじゃないよ。」
「おうちに帰ろう。」
「おうちに帰ろう。」
このみは、やさしい声でゆりこに言うた。
「ほら、保昭《やすあき》と富士夫《ふじお》が『ゆりこさんはひとりじゃないよ。』と言うてるよ~…私たちと一緒におうちに帰ろうね。」
ゆりこは、ものすごく怒った声でこのみに言うた。
「イヤ!!帰らない!!」
「どうして帰らないのよ…ここはよそのおうちよ〜」
「うるさいわね!!」
思い切りブチ切れたゆりこは、このみに対して怒った声で言うた。
「ゆりこ!!松山へ帰る!!」
「松山へ帰る!?」
「ゆりこは…一人ぼっちで生きるわ…ゆりこは水商売《オミズ》の世界しか居場所がないのよ!!」
「ゆりこさん〜」
「ゆりこ!!ここから出ていくわよ!!出て行けと言うのであれば出ていくわよ!!」
思い切りブチ切れたゆりこは、大広間から飛び出したあと、8畳の部屋に閉じこもった。
話しを聞いた拡和《ひろかず》は、怒った声で『帰るぞ!!』と言うたあと大広間から出た。
結局、話し合いはケツレツした。
………………
(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)
時は、夕方5時過ぎであった。
ゆりこは、大きめサイズのサックスバーのスーツケースを持って再び旅に出た。
ゆりこが乗っている紀勢本線《きのくにせん》の特急オーシャンアロー号は、大阪・和歌山方面に向かって走行していた。
ゆりこは、JR新大阪駅で特急《れっしゃ》を降りたあと在来線の電車を乗り継いで西へ向かった。
今のゆりこは、水商売《オミズ》の世界しか居場所がないので、家族単位で暮らして行くことはもはや不可能だ。
時は、8月22日の午前11時過ぎであった。
この日は、朝から雨が降っていた。
昼前から昼過ぎにかけて雷を伴った非常に激しい雨が断続的に降ると朝方の天気予報で伝えられた。
ところ変わって、てつろうの実家にある広い土間にて…
(土間の右側に浴室と洗面所、左側にくみ取り式のトイレがある)
(ジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブ…)
遥輝《はるき》は、水とシャボン(センタクせっけん)が入っている大きめのタライの中にセンタク板をセットした状態でセンタク物をこすっていた。
遥輝《はるき》は、調子がものすごく悪いので勤めを休んでいた。
この最近、弘輝《ひろき》がガッコーで暴れるようになった…
昌輝《まさき》が大学へ行かずにプラプラとするようになった…
われを忘れたてつろうがゆりこと結婚したいと言うて甘えている…
この家の家族たちは、どうなっているのだ…
………………
遥輝《はるき》は、ブツクサ文句言いながらセンタクをしていた。
そんな遥輝《はるき》のもとに、和子がやって来た。
「おにい。」
「なんや!!」
「そんなしんどいことしなくても、新しい洗濯機を買い直したらいいと思うけど…」
「できたら新しい洗濯機がほしいよ!!だけど、半兵衛《クソジジイ》のせいで洗濯機が買うことができないのだよ!!」
「そうよね…半兵衛がお人好しだから洗濯機が買うことができないのよ…」
「和子。」
「なによ?」
「大広間に客が来ているのか?」
「裸女《あのおんな》のオニイの家族たちよ。」
「裸女《あのおんな》を迎えに来たのか?」
「そうよ…これでうちはめでたしめでたし…裸女《あのおんな》も、明日からはオニイの家族たちとしあわせに暮らすのよ…裸女《あのおんな》は、家族たちのもとに帰ったらしあわせになれると思う?」
「なれる…オニイたちはやさしい人だから大丈夫だよ…やさしい人たちに囲まれて暮らすほうがしあわせだよ…」
「そうよね。」
(ジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブ…)
それからまた10秒後であった。
遥輝《はるき》は、ブツクサ文句言いながらセンタクをした。
またところ変わって、家の大広間にて…
大広間のテーブルに豊《ゆたか》の最初の妻の三男でゆりこの三義兄《さんけい》である井端拡和《いばたひろかず》(39歳・医師)と妻・このみ(44歳・専業主婦)とふたりの息子・保昭《やすあき》(9歳)と富士夫《ふじお》(4歳)の4人家族と白のバスローブ姿のゆりこがいた。
半兵衛《はんべえ》とまさよとあずさの3人は、大広間のとなりにあるダイニングキッチンのテーブルのイスに座っていた。
3人は、心配げな表情で大広間を見つめていた。
このみは、ゆりこに対してやさしい声で言うた。
「ゆりこさん…ゆりこさん。」
「(ゆりこ、ひねた声で言う)なによ〜」
「ゆりこさん、一緒におうちに帰ろうね。」
「帰るおうちなんかないわよ!!」
「あるわよ。」
「どこにあるのよ!?」
「これから一緒に帰るのよ。」
ゆりこは、ますますひねた声で言うた。
「ゆりこ!!信用できない!!」
「ゆりこさん、ねえゆりこさん〜」
「なによ!!」
「ゆりこさんはどうしたいのですか?」
「どうしたいって?」
「ゆりこさんは、一人ぼっちで生きていくおつもりですか?」
「ゆりこは、悪いことをしたから帰るおうちがなくなったのよ!!」
「そんなことはないわよ〜…ゆりこさんには、私たち家族がいるのよ~」
「わけの分からないことを言わないでよ!!」
ゆりこは、ますますひねた声でこのみに言うた。
このみは、ものすごく困った声でゆりこに言うた。
「ゆりこさんは、松山で暮らしていた時に凶悪事件の被害に巻き込まれたよね…あやういところで命を落としそうになったよね…今まで、つらい思いをたくさんしたよね…」
「だからなによ!!」
「私たちは、ゆりこさんにやさしくしたいのです…私のご両親にゆりこさんのことをお伝えしました…私のご両親はかつて福祉施設の職員だったのでやさしい人なのよ…ねえあなた。」
このみからの問いに対して、拡和《ひろかず》はきのりしない声で『ああ。』と答えた。
このみは、やさしい声で保昭《やすあき》と富士夫《ふじお》に言うた。
「保昭《やすあき》、富士夫《ふじお》…ゆりこさんはたくさんつらい思いをしたからうちにいてもいいよね。」
「うん。」
保昭《やすあき》と富士夫《ふじお》は、やさしい声でゆりこに言うた。
「ひとりじゃないよ。」
「ひとりじゃないよ。」
「おうちに帰ろう。」
「おうちに帰ろう。」
このみは、やさしい声でゆりこに言うた。
「ほら、保昭《やすあき》と富士夫《ふじお》が『ゆりこさんはひとりじゃないよ。』と言うてるよ~…私たちと一緒におうちに帰ろうね。」
ゆりこは、ものすごく怒った声でこのみに言うた。
「イヤ!!帰らない!!」
「どうして帰らないのよ…ここはよそのおうちよ〜」
「うるさいわね!!」
思い切りブチ切れたゆりこは、このみに対して怒った声で言うた。
「ゆりこ!!松山へ帰る!!」
「松山へ帰る!?」
「ゆりこは…一人ぼっちで生きるわ…ゆりこは水商売《オミズ》の世界しか居場所がないのよ!!」
「ゆりこさん〜」
「ゆりこ!!ここから出ていくわよ!!出て行けと言うのであれば出ていくわよ!!」
思い切りブチ切れたゆりこは、大広間から飛び出したあと、8畳の部屋に閉じこもった。
話しを聞いた拡和《ひろかず》は、怒った声で『帰るぞ!!』と言うたあと大広間から出た。
結局、話し合いはケツレツした。
………………
(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)
時は、夕方5時過ぎであった。
ゆりこは、大きめサイズのサックスバーのスーツケースを持って再び旅に出た。
ゆりこが乗っている紀勢本線《きのくにせん》の特急オーシャンアロー号は、大阪・和歌山方面に向かって走行していた。
ゆりこは、JR新大阪駅で特急《れっしゃ》を降りたあと在来線の電車を乗り継いで西へ向かった。
今のゆりこは、水商売《オミズ》の世界しか居場所がないので、家族単位で暮らして行くことはもはや不可能だ。