大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)
【AXIA〜かなしいことり】
時は、8月29日の午後1時過ぎであった。
またところ変わって、大阪市中央区にある警察署の会議室にて…
会議室にゆりことこのみと保昭《やすあき》と富士夫《ふじお》と徳久《のりひさ》と臨子《りんこ》と数人の警官たちがいた。
ゆりこの両ほほに大きなバンソウコウがはられていた。
臨子《りんこ》は、ものすごく泣きそうな声でこのみにわびた。
「もうしわけございませんでした…うちのセガレがおたくの家の大事な娘さんに大ケガをおわせた事件の責任は…母親である…うちにあります…すみませんでした…」
徳久《のりひさ》は、怒った声で言うた。
「ふざけるな!!ひとのカネをどろぼうしておいて被害者づらするんじゃねえよ!!」
「徳久《のりひさ》!!」
「なんだよ!!」
「あやまりなさい!!」
「あやまらねーよ!!」
「よその家の大事な娘さんに暴力をふるったのになんであやまらないのよ!!」
「奥さま!!もういいのです!!」
近くにいたこのみが臨子《りんこ》に対して『もういいのです…』と言うたあと、警官たちに対して『あとは私たちだけでジダン交渉をします〜』と言うた。
それから5分後であった。
徳久《のりひさ》は、臨子《りんこ》と一緒に警察署から出たあと帰宅した。
それからまた5分後であった。
ほほに大きなバンソウコウを貼っているゆりこに対して、このみがやさしい声で言うた。
「ゆりこさん、一緒におうちに帰ろうね。」
ゆりこは、怒った声で言うた。
「イヤ!!帰らない!!」
このみは、ものすごく困った声で言うた。
「どうして?」
「イヤと言うたらイヤ!!」
「ゆりこさん、なにがイヤなのよ?」
「イヤと言うたらイヤ!!」
「だから、なにがイヤなのかを言わないと分からないわよ〜」
「なんで一緒におうちに帰るのよ!?」
「家族だから一緒に帰ろうと言うてるのよ!!」
「ゆりこには家族なんかいないもん!!」
「いるわよ…あたしと保昭《やすあき》と富士夫《ふじお》と三義兄《おにい》さまがいるわよ…あたしのおとーさんとおかーさんも、ゆりこさんと一緒に暮らしたいと言うてるのよ〜」
このみは、保昭《やすあき》と富士夫《ふじお》に対してやさしい声で言うた。
「保昭《やすあき》と富士夫《ふじお》は…ゆりこさんがうちで暮らす方がいいよね。」
保昭《やすあき》と富士夫《ふじお》は『うん。』と答えた。
このみは、ゆりこに対してやさしい声で言うた。
「保昭《やすあき》と富士夫《ふじお》は、ゆりこさんと一緒に暮らしたいと言うてるわよ〜」
保昭《やすあき》と富士夫《ふじお》は、やさしい声でゆりこに言うた。
「おうちに帰ろう。」
「おうちに帰ろう。」
「ひとりじゃないよ。」
「ひとりじゃないよ。」
「一緒に暮らそうね。」
「一緒に暮らそうね。」
近くにいた警官たちは、ゆりこに対して口々に言うた。
「ゆりこさんの耳には、子どもたちの声が聞こえないのかな?」
「ゆりこさんはひとりじゃないのだよ〜」
「こんなにいい家族がいるじゃないか〜」
思い切りブチ切れたゆりこは『ふざけるな!!』と言うて怒鳴り声をあげたあと、このみに言うた。
「ゆりこは水商売《オミズ》の世界に戻ります…ゆりこの帰る場所は松山しかないのよ!!」
思い切りブチ切れたゆりこは、大型のスーツケースを手に取ったあと警察署から出ていった。
ゆりこに怒鳴られたこのみと保昭《やすあき》と富士夫《ふじお》の3人は、グスングスンと泣き出した。
(ボーッ、ボーッ…)
時は、夜10時40分頃であった。
ゆりこが乗り込んだ四国オレンジフェリーが大阪南港から出航した。
顔に大きなバンソウコウを貼っているゆりこは、ぼんやりとした表情で窓に写る大阪南港《みなと》の風景を見つめた。
今のゆりこは、水商売《オミズ》の世界しか自分の居場所がなかった。
…ので、なにを言ってもムダであった。
またところ変わって、大阪市中央区にある警察署の会議室にて…
会議室にゆりことこのみと保昭《やすあき》と富士夫《ふじお》と徳久《のりひさ》と臨子《りんこ》と数人の警官たちがいた。
ゆりこの両ほほに大きなバンソウコウがはられていた。
臨子《りんこ》は、ものすごく泣きそうな声でこのみにわびた。
「もうしわけございませんでした…うちのセガレがおたくの家の大事な娘さんに大ケガをおわせた事件の責任は…母親である…うちにあります…すみませんでした…」
徳久《のりひさ》は、怒った声で言うた。
「ふざけるな!!ひとのカネをどろぼうしておいて被害者づらするんじゃねえよ!!」
「徳久《のりひさ》!!」
「なんだよ!!」
「あやまりなさい!!」
「あやまらねーよ!!」
「よその家の大事な娘さんに暴力をふるったのになんであやまらないのよ!!」
「奥さま!!もういいのです!!」
近くにいたこのみが臨子《りんこ》に対して『もういいのです…』と言うたあと、警官たちに対して『あとは私たちだけでジダン交渉をします〜』と言うた。
それから5分後であった。
徳久《のりひさ》は、臨子《りんこ》と一緒に警察署から出たあと帰宅した。
それからまた5分後であった。
ほほに大きなバンソウコウを貼っているゆりこに対して、このみがやさしい声で言うた。
「ゆりこさん、一緒におうちに帰ろうね。」
ゆりこは、怒った声で言うた。
「イヤ!!帰らない!!」
このみは、ものすごく困った声で言うた。
「どうして?」
「イヤと言うたらイヤ!!」
「ゆりこさん、なにがイヤなのよ?」
「イヤと言うたらイヤ!!」
「だから、なにがイヤなのかを言わないと分からないわよ〜」
「なんで一緒におうちに帰るのよ!?」
「家族だから一緒に帰ろうと言うてるのよ!!」
「ゆりこには家族なんかいないもん!!」
「いるわよ…あたしと保昭《やすあき》と富士夫《ふじお》と三義兄《おにい》さまがいるわよ…あたしのおとーさんとおかーさんも、ゆりこさんと一緒に暮らしたいと言うてるのよ〜」
このみは、保昭《やすあき》と富士夫《ふじお》に対してやさしい声で言うた。
「保昭《やすあき》と富士夫《ふじお》は…ゆりこさんがうちで暮らす方がいいよね。」
保昭《やすあき》と富士夫《ふじお》は『うん。』と答えた。
このみは、ゆりこに対してやさしい声で言うた。
「保昭《やすあき》と富士夫《ふじお》は、ゆりこさんと一緒に暮らしたいと言うてるわよ〜」
保昭《やすあき》と富士夫《ふじお》は、やさしい声でゆりこに言うた。
「おうちに帰ろう。」
「おうちに帰ろう。」
「ひとりじゃないよ。」
「ひとりじゃないよ。」
「一緒に暮らそうね。」
「一緒に暮らそうね。」
近くにいた警官たちは、ゆりこに対して口々に言うた。
「ゆりこさんの耳には、子どもたちの声が聞こえないのかな?」
「ゆりこさんはひとりじゃないのだよ〜」
「こんなにいい家族がいるじゃないか〜」
思い切りブチ切れたゆりこは『ふざけるな!!』と言うて怒鳴り声をあげたあと、このみに言うた。
「ゆりこは水商売《オミズ》の世界に戻ります…ゆりこの帰る場所は松山しかないのよ!!」
思い切りブチ切れたゆりこは、大型のスーツケースを手に取ったあと警察署から出ていった。
ゆりこに怒鳴られたこのみと保昭《やすあき》と富士夫《ふじお》の3人は、グスングスンと泣き出した。
(ボーッ、ボーッ…)
時は、夜10時40分頃であった。
ゆりこが乗り込んだ四国オレンジフェリーが大阪南港から出航した。
顔に大きなバンソウコウを貼っているゆりこは、ぼんやりとした表情で窓に写る大阪南港《みなと》の風景を見つめた。
今のゆりこは、水商売《オミズ》の世界しか自分の居場所がなかった。
…ので、なにを言ってもムダであった。