大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【愛を染めて・リサ】

(ゴーッ…)

時は、10月15日の午後3時頃であった。

AとBメインの2班のメンバーたち35人が乗り込んだ専用機が大阪伊丹国際空港から飛び立った。

専用機は、中国地方の上空を通って西へ向かった。

専用機の中にて…

AとBメインの2班のメンバーたち34人は、リクライニングシートに座った状態で仮眠をとっていた。

私は、CDウォークマンで歌を聴きながら窓に写っている中国山地沿いの風景を見つめながら考え事をしていた。

イヤホンから1970年代から1980年代にテレビで放映された懐かしのCMソングがたくさん流れていた。

『魅せられて』『ランナウェイ』『不思議なピーチパイ』『燃えろいい女』『A面で恋をして』…

日本のテレビで放送された懐かしのCMソングがたくさん流れていた。

イヤホンから流れていた歌は、ニッサンラングレーのCMで流れていた佐伯博志さんの歌で『愛を染めて・リサ』に変わった。

歌を聴いていた私は、切ない気持ちにかられた。

この時、私は10月8日頃に韓国に行った日のことを思い出した。

あの日は、専用機が時間調整などをするために9日の正午までの間ソウルキンポ空港で待機していた…

ソウルキンポ空港に到着したのは、8日の朝7時頃だった…

AとBメインの2班のメンバーたち35人は、それから4時間後にマァマとドナ姐《ねえ》はんの姐《おねえ》さま・イナ姐《ねえ》はんのダンナ方の親類の家へ行った。

あの日は…

親類のお子さまの挙式がひらかれた日だった。

AとBメインの2班のメンバーたち35人が家に到着した時、ガーデニングパーティーを始める準備をしていた。

時は、10月8日の午前11時半頃であった。

ところ変わって、ソウルの中心地から少し離れた地区にある特大豪邸にて…

特大豪邸の前に50人乗りの特大バスが到着した。

バスの中からA・Bメインの2班のメンバーたち35人が降りた。

バスから降りた一行は、豪邸の敷地に入った。

ところ変わって、豪邸の敷地内にて…

敷地の庭に白いテーブルがたくさん並んでいた。

この時であった。

A・Bメインの2班のメンバーたち35人は、マァマとドナ姐《ねえ》はんのお姐《ねえ》さまのイナ姐《ねえ》はんさんとお会いした。

イナ姐《ねえ》はんは、マァマとドナ姐《ねえ》はんにやさしく声をかけた。

「ジナ〜、ドナ〜」
「お姐《ねえ》ちゃん〜」
「イナ姐《ねえ》ちゃん〜」
「無事に到着したのね。」
「うん。」
「よーくんたちも一緒に到着したのね。」
「うん。」

このあと、イナ姐《ねえ》はんがやさしい声で私に言うた。

「まあ、よーくんおっきくなったね〜」
「はっ、おかげさまで大きくなりました。」
「きょうはね、よーくんに見せたいものがあるのよ~」

えっ?

私に見せたいものがあるって?

私は、ものすごくコンワクした表情でつぶやいた。

イナさんは、AとBメインの2班のメンバーたち34人に対してやさしい声で言うた。

「みなさま、しばらくの間よーくんをお借りしてよろしいでしょうか?」

イナ姐《ねえ》はんは、AとBメインの2班のメンバーたち34人から了承を得たあと私を連れて豪邸の中へ行った。

またところ変わって、豪邸の中にて…

イナ姐《ねえ》はんに案内されている私は、イナ姐《ねえ》はんに声をかけた。

「イナ姐《ねえ》はん。」
「なあに?」
「私に見せたいものって…なんでしょうか?」
「は~い、到着したわよ〜」

(コンコン…)

イナ姐《ねえ》はんは、白いドアをノックしたあとゆっくりとトビラをあけたあと私の手を引いて部屋に入った。

部屋の中には、純白のウェディングドレス姿の花嫁さんがいた。

花嫁さんの周りに、ブライダルコーディネーターさんたち数人がいた。

コンワクした表情を浮かべていた私は、イナ姐《ねえ》はんに言うた。

「イナ姐《ねえ》はん。」
「(満面の笑みで言う)なあによーくん。」
「(コンワクした表情で)白いウェディングドレスの花嫁さんは?」
「花嫁さんは、ダンナの実家《いえ》の親類のメイゴちゃんよ。」
「イナ姐《ねえ》はんのダンナさんのメイゴさんですか?」
「そうよ~」

私は、ものすごくコンワクした表情でイナ姐《ねえ》はんに言うた。

「あの〜…私はまだ…結婚することを…考えていないのです…」

イナ姐《ねえ》はんは、にこやかな表情で『分かってるわよ…』と答えた。

私は、ますますコンワクした表情でイナ姐《ねえ》はんにたずねた。

「あの〜、花嫁さんのダンナさまはどちらにいらっしゃいますか?」
「もうすぐお入りになるわよ〜」

それから数分後であった。

純白のタキシード姿の新郎さんが部屋に入った。

新郎さんは、韓流スターのグォン・サンウさん似の男前《イケメン》である。

新郎さんは、花嫁さんに優しく声をかけた。

「(花嫁さん)。」
「(新郎さん)。」
「おまたせ~」

ラブラブモードのおふたりは、シアワセイッパイ夢イッパイであった。

いいな〜

うらやましいな〜

それから60分後であった。

またところ変わって、豪邸のガーデンにて…

ウェディングパーティが予定に始まった。

テーブルの席にイナ姐《ねえ》はんのダンナさんの実家《いえ》の親類《みなさま》たちとおふたりの共通の友人知人たちが座っていた。

私は、ひとことも言わずにバーベキューの具材を出刃包丁でていねいにカッティングしていた。

AとBメインの2班のメンバーたち34人は、特大広間で待機していた。

34人は、待機している間もお仕事をつづけた。

パーティ開始から30分後にバーベキューパーティが始まった。

コンロの前に立っている私は、ひとことも言わずにバーベキュー調理に取り組んでいた。

特大広間は、ガーデンのすぐ後ろの方にあった。

マァマは、心配げな表情で私を見つめた。

出席者のみなさまたちは、バーベキューを食べながら楽しくお話をしていた。

パーティは、夕方4時頃までつづいた。

時は、深夜11時頃であった。

またところ変わって、ロッテホテルワールド(5つ星ホテル)の中にあるキッチン付きの豪華スイートルームにて…

私は、執務室でお仕事をしていた。

A・Bメインの2班のメンバーたち34人は、各部屋で身体を休めていた。

私が執務室でお仕事に取り組んでいた時であった。

(コンコン…)

ドアをノックする音が聞こえたあとマァマの声がドアの向こうから聞こえた。

「よーくん、一緒にお茶をのもうね〜」
「うん。」

またところ変わって、120人分が収容できる特大広間にて…

特大広間のテーブルに私とマァマとゆきさんと風香《フー》ちゃんの4人がいた。

テーブルの真ん中にトゥラン(もち菓子)とぼんち揚げが盛られている大皿が置かれていた。

大きめの砥部焼の急須を持っている風香《フー》ちゃんは、砥部焼の湯呑みにお茶を入れた。

ゆきさんは、お茶が入っている砥部焼の湯呑みをマァマと私にゆっくりと差し出した。

私は、きょうひらかれた結婚パーティのことをマァマにたずねた。

「マァマ。」
「なあに、よーくん?」
「イナ姐《ねえ》はんのダンナさんのメイゴさんのダンナさんになった人は…どんな人かな?」

マァマは、手にとったトゥランをちぎりながら私に言うた。

「姐《ねえ》さんのメイゴちゃんにあたる娘《こ》の結婚相手《おあいて》さんは…年が明けたら…兵役につく予定よ。」
「兵役。」
「韓国《このくに》の男子は、20歳になったら兵役につく義務がある…と言うことはよーくんも知ってるよね。」
「うん。」

マァマは、半分にちぎったトゥランを口にゆっくりと入れたあともぐもぐとかんで食べた。

マァマは、石鎚黒茶をひとくちのんでから私に言うた。

「(新郎さん)はたしか、28だったわね~」
「28…(新郎)さんは、まだ兵役についていないのか?」
「(新郎さん)は…まだ大学院生よ〜」
「大学院生。」
「来年あたりに大学院を卒業する予定よ…卒業式の翌日に兵役につくのよ。」
「そう…なのだ。」

マァマは、石鎚黒茶をひとくちのんだあと私に新郎さんのことを話した。

「(新郎さん)は…大学院で取り組んでいた研究が認められたので…国の政府機関《きかん》から表彰されたのよ…大学院を卒業したあと、ボストンにある大学院へ留学すると決まっていたのよ…だけど、実家のご両親は兵役がまだであることを理由にボストン行きを止めたのよ。」
「それで、兵役につくことになったのだ。」
「そうよ。」

私は、お茶をひとくちのんだあとマァマに言うた。

「その間、おふたりは離れ離れになるのだね。」
「そうよ。」
「韓国《ここ》の兵役の期間は?」
「2〜3年よ。」

私は、ひと間隔おいてからマァマに言うた。

「マァマ。」
「なあに?」
「イナ姐《ねえ》はんは、なぜ私に花嫁さんを見せようとしたのかな?」
「ああ…しあわせのおすそ分けよ…または…よーくんのお嫁さんは、(イナさんのダンナさんのメイゴさん)に似た女の子がいいかな…と思ったのよ…でも、よーくんのお嫁さんはフランソワさんたちが話し合った上で選ぶようになっているので…よーくんが結婚する時期は、まだ先のことよ。」
「マァマ。」
「あっ、よーくん…大皿に盛られているトゥランは、姐《ねえ》はん夫婦からのお礼よ。」
「あっ、うん。」

私は、大皿に盛られていたトゥランを手にしたあとゆっくりと食べた。

風香《フー》ちゃんとゆきさんは、私とマァマの会話をじっと聞きながらお茶をのんでいた。

(ゴーッ…)

またところ変わって、移動中の専用機の中にて…

CDウォークマンで歌を聴いている私は、眠りについた。

この時、演奏が終わったのでCDが止まっていた。

眠っている私のもとにマァマがやって来た。

マァマは、私のひざにゆっくりとブランケットをかけたあとさびしげな表情でつぶやいた。

よーくん…

よーくんごめんね…

よーくんに無理なたのみを入れてごめんね…

よーくんも…

素敵な花嫁さんがほしいよね…

だけど…

花嫁さん候補の女の子たちが成人年齢《おとな》(18歳)になっていないので…

まだ、お見合いをすることができない…

ごめんね…

よーくんごめんね…

マァマ…

花嫁さん候補の女の子たちを成人年齢《おとな》の身体にがんばって育てるから…

それまで…

待っていてね…

よーくん…

よーくん…

よーくん…
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