大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【夜明けのスキャット】

(ブロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ…)

時は、深夜4時10分頃であった。

特大自動車6台は、阪神高速道路から中国自動車道経由で目的地へ向かっていた。

特大バスの車内にて…

座席に座った状態で眠っている私は、エクスペリアのウォークマンで歌を聴きながら眠っていた。

イヤホンから由紀さおりさんの歌で『夜明けのスキャット』が流れていた。

歌を聴きながら眠っている私は、夢をみていた。

…………………

時は、1981年10月末頃であった。

ところ変わって、山口県美祢市の中心部にて…

当時57歳の私は、行方不明になった大番頭《おおばんと》はんたちを探すために九州・山口県・広島市と周辺地域・松山市と周辺地域・愛媛県南予・高知県のあちらこちらを歩き回って旅をしていた。

しかし、大番頭《おおばんと》はんたちはどこにもいなかった。

どうしよう…

大急ぎで大番頭《おおばんと》はんたちを見つけないと…

ところ変わって、厚狭川《あさがわ》の河川敷にある公園にて…

時は、正午過ぎであった。

公園のベンチに座っている私は、ラジオを聴きながら川沿いの風景を見つめていた。

イヤホンから山口放送ラジオで放送されているリクエスト番組が流れていた。

あの日も、由紀さおりさんの歌で『夜明けのスキャット』が流れていた。

ひと通り歌を聴いた私は、秋吉台へ行こうと思い立った。

私は、国鉄美祢駅から路線バスを乗り継いで秋吉台へ向かった。

時は、午後3時50分頃であった。

ところ変わって、秋吉台にて…

私は、みどり色に染まったカルスト台地をじっと見つめていた。

この時、西の空が夕暮れの色に染まり始めた。

私は、2歳の時に内モウコの草原でママと別れたことを思い出した。

あの日も、雲一つない晴天だった。

2歳だった私は、あの時ひとりの女性を心底から好きになったことがあった。

初恋の相手は、言うまでもなくママである。

2歳だった私は、大好きなママとおててをつないでゆっくりと草原を歩いた…

夕暮れ時の草原を見つめながらママとお話をした…

そして…

2歳だった私は、ママのほっぺにやさしくキスをした。

「ママ好きよ〜」
「ママも、よーくんが大好きよ〜」

ママも2歳だった私のほっぺにやさしくキスをした。

その後、2歳だった私とママはおててをつないで夕暮れの草原をかけめぐった。

そして…

2歳だった私は…

ママを取り上げられた…

………………

場面は変わって、秋吉台にて…

57歳の私は、夕暮れ色にそまったカルスト台地を見つめながら見つめながらつぶやいた。

ママを返せ…

私がちいちゃい時に恋したママを返せ…

なんでママを取り上げたのだ…

なんでママを取り上げたのだ…

返せ…

ママを返せ…

ママを返せ…

…………………
< 199 / 900 >

この作品をシェア

pagetop