大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【ハイそれまでヨ】

時は、午後3時半頃であった。

またところ変わって、福井市順化《しないじゅんか》にあるナイトショップいしづちにて…

私は、店の前に設置されているベンチに座ってサントリー缶ビールとスブタ弁当で遅すぎるランチを摂っていた。

私は、朝5時頃に国道8号線沿いにあるラブホに行った…

ラブホで2時間ほど仮眠をとったあと国電福井駅に行こうと思ったら、午後12時半にめざめた…

ネボーしたことが原因で、11時38分に出発する特急雷鳥に乗ることができなかった…

…と言うことで、金沢へ行くことができなかった。

あ〜あ…

なさけないわ…

そんな時であった。

先週、長野市若穂保科《しんしゅうほしな》で会ったあの男の子がまた私のもとにやって来た。

あの男の子は、顔が真っ赤にはれていた。

その上に、リュックサックを持っていなかった。

一体、なにがあったのだ…

やーな予感がした。

あの男の子は、ほしそうな目で私が食べているスブタ弁当を見ていた。

イラッと来た私は、男の子に言うた。

「ぼくちゃん…ぼくちゃん!!」
「なあに?」
「ぼくちゃん!!人が食べている弁当をほしそうな目で見るな!!」
「ごめんなさい…」
「分かっているのであれば、うちに帰りなさい!!」
「おうち?」
「ぼくちゃん!!ぼくちゃんのおうちの晩ごはんは何かな!?」
「おうちの晩ごはん?」
「きょうは、ぼくちゃんの大好きなハンバーグだよ…目玉焼きがのっているロコモコ(ハワイ風)だよ…早く帰らないと、ロコモコ冷めちゃうよ〜」

男の子は、私に対して『追い出された〜』と言うた。

「追い出された…ぼくちゃん…ぼくちゃん!!」

私に怒鳴られた男の子が『ウワーン!!』と泣き出した。

ったくも…

なさけないの…

私は、ものすごくいらついた声で男の子に言うた。

「ぼくちゃん!!ぼくちゃん!!」
「ワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーン…」
「ぼくちゃん!!ぼくちゃんはいつから女の子になったのかな!?」
「ワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーン…」
「ぼくちゃん!!ぼくちゃんは男の子よね…大の男の子が泣いたらみっともないよと親から言われたのでしょ!!…ぼくちゃんはいくつなの!?」
「ワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーン…」
「ぼくちゃん!!来年は小学校《ガッコー》へ入学するよね…小学校《ガッコー》へ入学すると言うことは、お兄ちゃんになるよね…ぼくちゃん…ビービービービービービービービービービービービービービービービービービービービー泣くな!!」
「ビービービービービービービービービービービービービービービービービービービービービービー!!」

私にどぎつい声で怒鳴られた男の子は、ビービービービーと泣き出した。

コノヤロー…

泣いたモン勝ちする気か…

私は、ものすごく怒った表情でつぶやいたあと男の子に言うた。

「ぼくちゃん!!」
「ヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒック…」
「ぼくちゃん!!ヒックヒック泣かずにおじちゃんの話を聞きなさい!!」
「ヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒック…」
「ぼくちゃんは、先週おじちゃんとシンシュウで会ったね…その時、おじちゃんに大メーワクをかけたね。」
「ヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒック…」
「ぼくちゃん!!」
「ヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒック…」
「おじちゃんは、ぼくちゃんが『おうちに帰りたい…』と言うたので、ぼくちゃんを連れて今治へ行ったのだよ…その後、おまわりさんのお世話になったね…ぼくちゃん!!」
「ヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒック…」
「ぼくちゃん!!ぼくちゃんの旅費と食事代はおじちゃんが全部出したのよ!!あの時のお礼をひとことも言うてないよ!!…フツーは、お世話になったお礼をきちんと言わないといかんのよ!!…ぼくちゃん!!」
「ヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒック…」
「コラ!!ヒックヒックヒックヒックヒックヒック泣くな!!おじちゃんはぼくちゃんが女の子になったことを怒ってるのだよ!!」
「ヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒック…追い出された…家から追い出された…」
「家から追い出された?…ぼくちゃん…ぼくちゃんはあのあと家に帰ったよね!!」
「帰ったけど…おとーさんに叩かれた!!」

叩かれた?

私は、男の子になにがあったのかとたずねた。

「ぼくちゃん、ぼくちゃんのお顔のはれはおとーさんに叩かれた時にできたのかな?」

男の子は『うん。』と答えた。

私は、男の子に声をかけた。

「なんで叩かれたの?」

男の子は、ヒックヒック泣きながら答えた。

「『なんで帰って来た!?』と言われた…」
「それで殴られたのか!?」
「うん…おとーさんはぼくに『お前はうざい!!』と言うた〜」
「うざいと言うた!?」
「『お前なんか死ね!!』と言われた〜」
「死ねと言われた!?」
「それから『お前なんかいらない子だ!!』と言われた~」
「いらない子だと言われた!?」
「うん…ほかにもボロクソに言われた!!…ヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒックヒック…」
「頭いたいわもう…それでぼくちゃんは子どもキャンプに戻されたのだ!!」
「うん〜」
「ぼくちゃんは、どこからここまで来たの!?」
「おぼえてない…逃げることに夢中になっていたから…」
「リュックサックはどうしたの?」
「置いてきた~」
「置いてきた!?…ぼくちゃんはお金持ってないの!?」
「うん〜」

コノヤロー…

もうガマンできない…

この時であった。

巡回中のおまわりさんが私に声をかけた。

おまわりさんに事の次第を話した私は『この子はキセルしたうたがいがあるので、今すぐにタイホしてくれ!!』とおまわりさんに言うた。

それから10分後であった。

ニッサンスカイラインの福井県警《けんけい》のパトカー2台が到着した。

おまわりさんたち5人は、男の子を保護したあとパトカーに乗せた。

私は、巡回中のおまわりさんに『私はこれで…』と言うて帰ろうとした。

しかし、おまわりさんは私を呼び止めた。

「すみません〜」
「なんですか!?」
「すみませんけど、警察署《ショ》までご同行願いますか?」
「はあ?」
「ですから、警察署《ショ》までご同行願いますか?」
「コラ待たんかい!!なんで警察署に行かないかんのぞ!?」
「ですから、2〜3お聞きしたいことがありますので…」
「私を容疑者する気か!?」
「そう言うわけじゃないのです〜」
「コラ!!女々しい声で言うなオカマ警官!!」
「わしのどこがオカマだ!!」
「オカマをオカマと言うたらいかんのか!!」

私とおまわりさんは、ヨレヨレになるまで大ゲンカをした。

私はまた警察署に行くハメになった…

また留置場で寝泊まりするのか…

もうイヤだ…
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