大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【捨てられて】

時は、8月1日の朝9時過ぎであった。

ところ変わって、長野県穂高《しんしゅうほたか》にある鐘のなる丘道場の敷地にて…

「ワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーン…」

あの時に会った男の子がより激しい声で泣き叫んでいた。

男の子は、子どもキャンプに戻ったがもめごとを起こしたので置き去りにされた。

エッセイスト先生は、男の子を置き去りにしたあと足早に目的地へ向かった。

それから10分後であった。

男の子は、白馬方面に向かって走り出した。

それからまた10分後に男の子は行方不明になった。

男の子は、その付近にいた不審者の男たち複数人によってユーカイされたようだ。

さて、その頃であった。

私は、道後温泉本館でつかれをいやしたあと南予方面へ向かった。

この2日の間、南予のあちらこちらをまわって大番頭《おおばんと》はんたちとマァマとドナ姐《ねえ》はんを探し回った。

しかし、大番頭《おおばんと》はんたちとマァマとドナ姐《ねえ》はんはどこにもいなかった。

困った…

どうしたらいいのだ…

時は、8月2日の昼前であった。

この日、私は宿毛市内のあちらこちらを探し回った。

しかし、大番頭《おおばんと》はんたちとマァマとドナ姐《ねえ》はんは宿毛市内《しない》にいなかった。

(ボーッ!!ボーッ!!ボーッ!!)

時は、夜7時過ぎであった。

ところ変わって、宿毛片島港の岩壁にて…

私が乗り込んだ宿毛フェリーが汽笛をあげながら岩壁から離れた。

ところ変わって、船内の2等客室にて…

私は、ひざの上にのせているショルダーバッグの中から81〜83年の3年間日記とセーラー万年筆を取り出した。

その後、所定のページをひらいて8月2日のできごとを書いた。

8月2日・晴れ

きょう1日、大番頭《おおばんと》はんとマァマとドナ姐《ねえ》はんを見つけるために宿毛市内《しない》のあちらこちらを歩き回った。

しかし、きょうも見つけることができなかった…

いつになったら見つかるのか…

(パタン…)

日記帳を閉じた私は、大きくため息をつきながらつぶやいた。

つらい…

いつまでこんな暮らしが続くのだ…

もうイヤだ…
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