大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)
【帰り来ぬ青春】
時は、11月15日の深夜11時頃であった。
またところ変わって、新宮市にある比江島家にて…
家の大広間に佐和子《さわこ》智太郎《ともたろう》の夫婦とせつこさんとこのみとあきこと氏張《うじはる》がいた。
となりの部屋に美羽《みう》と智之《ともゆき》とほのかとたまおがいた。
智之《ともゆき》とほのかとたまおはふとんの中で眠っていた。
美羽《みう》は、3人の子どもたちを見守っていた。
佐和子《さわこ》と智太郎《ともたろう》は、やさしい声でこのみに言うた。
「このみちゃんもつらかったね〜」
「やっぱり、紀勢学園《ガッコー》へ行きたいよね〜」
佐和子《さわこ》と智太郎《ともたろう》の呼びかけに対して、このみは『フン』と言うてひねていた。
せつこさんは、佐和子《さわこ》と智太郎《ともたろう》に対してこのみの今の気持ちを説明した。
「このみさんは…このまま紀勢学園《いまのガッコー》へつづけるべきかどうかを迷っていました…幼稚園から短大部までそのまま行っていいのか…と迷い続けていたのです。」
せつこさんから話を聞いた智太郎《ともたろう》は『そうだったのか…』と言うた。
せつこさんは、このみはこの3年間ムリを押し通してきたことなどを話した。
せつこさんの話しをひと通り聞いた佐和子《さわこ》と智太郎《ともたろう》は、やさしい声で言うた。
「そうだったのね…よく分かったわ…でもね…紀勢学園《ガッコー》へ行った方がいいわよ。」
「そうだよ…せっかく入ることができた紀勢学園《ガッコー》をやめてしまうのはもったいないよ〜」
佐和子《さわこ》と智太郎《ともたろう》がやさしく声をかけているのに、このみは『プン』とひねていた。
せつこさんは、このみに対して困った声で言うた。
「このみさん…このみさんはなにが気に入らないから紀勢学園《ガッコー》に行かないのよ?」
『プン』とひねた状態のこのみは、ひとことも言わなかった。
せつこさんは、ものすごく困った声でこのみに言うた。
「このみさんはどうしたいのよ?」
せつこさんの呼びかけに対して、このみは答えなかった。
佐和子《さわこ》は、ものすごく困った声でこのみに言うた。
「もしかしたら、進学先をどうしようか迷っているのかな?」
智太郎《ともたろう》は、困った声でこのみに言うた。
「進学先を決めていないのであれば、そのまま短大部へ行ったらどうかな?」
佐和子《さわこ》は、やさしい声でこのみに言うた。
「みんなは、そのまま短大部へ行ってもいいよと言うてるのよ…大学へ行きたいのであれば、紀勢学園《ガッコー》の人がほかの大学へ編入する手続きをしてくださるのよ…卒業したあとの就職先については、紀勢学園《ガッコー》の人が全部してくださるのよ。」
智太郎《ともたろう》は、やさしい声でこのみに言うた。
「このみさんは、ゆったりとしていればいいだけだよ〜」
プンとした表情を浮かべているこのみは、ひとことも言わなかった。
せつこさんは、ものすごく困った表情でこのみに言うた。
「このみさん…みなさまは『短大部まで行ってもいいよ〜』と言うてるのよ〜…どうして行かないのよ?」
せつこさんが言うた言葉に対して、このみはなおも『プン』とひねていた。
佐和子《さわこ》は、困った表情で言うた。
「もしかしたら、お金の心配をしているのかな?」
智太郎《ともたろう》は、やさしい声で氏張《うじはる》に言うた。
「おとーさま、アレを出してあげてください。」
氏張《うじはる》は、上着のポケットから取り出した信用金庫の通帳をテーブルの上に置いた。
佐和子《さわこ》は、通帳の最後のページをひらいたあとこのみに見せながら言うた。
「このみさん、おとーさまの通帳をよく見てね…お金のことについては、きちんと引き落とされているわよ…ゆとりは十分にあるわよ〜」
智太郎《ともたろう》は、やさしい声でこのみに言うた。
「おとーさまとおかーさまは、このみさんが生まれた時から積み立て預金を作っていたのだよ〜…このみさんの学費は積み立て預金の中から使われているのだよ〜」
せつこさんは、悲しげな表情でこのみに言うた。
「このみさん…やさしくしてくださる人たちがたくさんいる中で紀勢学園《ガッコー》へ行くことができると言うことがまだわからないの?明日の朝から早速行ったらどうかな?…ガッコーへ行ったらお友だちがたくさんいるのよ…お友だちと楽しい時間を過ごしたいと言うたよね…休みがないのはイヤだと言うたよね…このみさん…あなたは紀勢学園《ガッコー》へ行きたいの?…行きたくないの?」
プンとした表情を浮かべているこのみは、ひとことも答えなかった。
智太郎《ともたろう》は、あつかましい表情であきこと氏張《うじはる》に言うた。
「あんたらもだまってないでなんとか言うたらどうだ!?あんたらの夢はなんや!?ほのかちゃんが小学校《ガッコー》へ行かなくなった!!たまおちゃんが幼稚園に行くのをやめた…ふたりの子どもがガッコー・幼稚園に行かなくなったので、せめてこのみさんだけでもガッコーへ行かせようと言う気にはならんのか!?」
智太郎《ともたろう》に怒鳴られたあきこと氏張《うじはる》は、煮えきらない表情を浮かべながらつぶやいた。
分かってるよ…
このみを紀勢学園《ガッコー》へ行かせたらいいのだろ…
このみを紀勢学園《ガッコー》へ押し込めたらいいのだろ…
分かったよ…
…………………………
またところ変わって、新宮市にある比江島家にて…
家の大広間に佐和子《さわこ》智太郎《ともたろう》の夫婦とせつこさんとこのみとあきこと氏張《うじはる》がいた。
となりの部屋に美羽《みう》と智之《ともゆき》とほのかとたまおがいた。
智之《ともゆき》とほのかとたまおはふとんの中で眠っていた。
美羽《みう》は、3人の子どもたちを見守っていた。
佐和子《さわこ》と智太郎《ともたろう》は、やさしい声でこのみに言うた。
「このみちゃんもつらかったね〜」
「やっぱり、紀勢学園《ガッコー》へ行きたいよね〜」
佐和子《さわこ》と智太郎《ともたろう》の呼びかけに対して、このみは『フン』と言うてひねていた。
せつこさんは、佐和子《さわこ》と智太郎《ともたろう》に対してこのみの今の気持ちを説明した。
「このみさんは…このまま紀勢学園《いまのガッコー》へつづけるべきかどうかを迷っていました…幼稚園から短大部までそのまま行っていいのか…と迷い続けていたのです。」
せつこさんから話を聞いた智太郎《ともたろう》は『そうだったのか…』と言うた。
せつこさんは、このみはこの3年間ムリを押し通してきたことなどを話した。
せつこさんの話しをひと通り聞いた佐和子《さわこ》と智太郎《ともたろう》は、やさしい声で言うた。
「そうだったのね…よく分かったわ…でもね…紀勢学園《ガッコー》へ行った方がいいわよ。」
「そうだよ…せっかく入ることができた紀勢学園《ガッコー》をやめてしまうのはもったいないよ〜」
佐和子《さわこ》と智太郎《ともたろう》がやさしく声をかけているのに、このみは『プン』とひねていた。
せつこさんは、このみに対して困った声で言うた。
「このみさん…このみさんはなにが気に入らないから紀勢学園《ガッコー》に行かないのよ?」
『プン』とひねた状態のこのみは、ひとことも言わなかった。
せつこさんは、ものすごく困った声でこのみに言うた。
「このみさんはどうしたいのよ?」
せつこさんの呼びかけに対して、このみは答えなかった。
佐和子《さわこ》は、ものすごく困った声でこのみに言うた。
「もしかしたら、進学先をどうしようか迷っているのかな?」
智太郎《ともたろう》は、困った声でこのみに言うた。
「進学先を決めていないのであれば、そのまま短大部へ行ったらどうかな?」
佐和子《さわこ》は、やさしい声でこのみに言うた。
「みんなは、そのまま短大部へ行ってもいいよと言うてるのよ…大学へ行きたいのであれば、紀勢学園《ガッコー》の人がほかの大学へ編入する手続きをしてくださるのよ…卒業したあとの就職先については、紀勢学園《ガッコー》の人が全部してくださるのよ。」
智太郎《ともたろう》は、やさしい声でこのみに言うた。
「このみさんは、ゆったりとしていればいいだけだよ〜」
プンとした表情を浮かべているこのみは、ひとことも言わなかった。
せつこさんは、ものすごく困った表情でこのみに言うた。
「このみさん…みなさまは『短大部まで行ってもいいよ〜』と言うてるのよ〜…どうして行かないのよ?」
せつこさんが言うた言葉に対して、このみはなおも『プン』とひねていた。
佐和子《さわこ》は、困った表情で言うた。
「もしかしたら、お金の心配をしているのかな?」
智太郎《ともたろう》は、やさしい声で氏張《うじはる》に言うた。
「おとーさま、アレを出してあげてください。」
氏張《うじはる》は、上着のポケットから取り出した信用金庫の通帳をテーブルの上に置いた。
佐和子《さわこ》は、通帳の最後のページをひらいたあとこのみに見せながら言うた。
「このみさん、おとーさまの通帳をよく見てね…お金のことについては、きちんと引き落とされているわよ…ゆとりは十分にあるわよ〜」
智太郎《ともたろう》は、やさしい声でこのみに言うた。
「おとーさまとおかーさまは、このみさんが生まれた時から積み立て預金を作っていたのだよ〜…このみさんの学費は積み立て預金の中から使われているのだよ〜」
せつこさんは、悲しげな表情でこのみに言うた。
「このみさん…やさしくしてくださる人たちがたくさんいる中で紀勢学園《ガッコー》へ行くことができると言うことがまだわからないの?明日の朝から早速行ったらどうかな?…ガッコーへ行ったらお友だちがたくさんいるのよ…お友だちと楽しい時間を過ごしたいと言うたよね…休みがないのはイヤだと言うたよね…このみさん…あなたは紀勢学園《ガッコー》へ行きたいの?…行きたくないの?」
プンとした表情を浮かべているこのみは、ひとことも答えなかった。
智太郎《ともたろう》は、あつかましい表情であきこと氏張《うじはる》に言うた。
「あんたらもだまってないでなんとか言うたらどうだ!?あんたらの夢はなんや!?ほのかちゃんが小学校《ガッコー》へ行かなくなった!!たまおちゃんが幼稚園に行くのをやめた…ふたりの子どもがガッコー・幼稚園に行かなくなったので、せめてこのみさんだけでもガッコーへ行かせようと言う気にはならんのか!?」
智太郎《ともたろう》に怒鳴られたあきこと氏張《うじはる》は、煮えきらない表情を浮かべながらつぶやいた。
分かってるよ…
このみを紀勢学園《ガッコー》へ行かせたらいいのだろ…
このみを紀勢学園《ガッコー》へ押し込めたらいいのだろ…
分かったよ…
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