大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)
【私鉄沿線・その2】
時は、午後2時過ぎであった。
またところ変わって、岩田屋デパートの1階にある公衆電話のコーナーにて…
私は、10円のピンク電話機を使って電話をかけていた。
「もしもし、□□村さまのおたくでございますか?…私は、イワマツキョウコの息子のコリントイワマツヨシタカグラマシーです…はい、コリントでございます…奥さまでございますね…昨日、お電話した時は…ご不在でありましたので…改めてかけなおしました…今朝、黒崎駅で行商のおばちゃんとお会いいたしまして…その方からシカヌマさんと母のことを聞きました…はい…」
(チャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリン…)
私は、投入口に10円玉を6枚入れながら受話器の向こうにいる相手に話した。
「日時は、昭和20年8月9日の朝7時半頃…だったと思います…その時、奥さまはどちらにいらっしゃいましたか?…えっ?…(国電の)黒崎駅にいたのですね…シカヌマさんと母はどちらのホームにいたのですか?…下りですね…ってことは、博多方面へ向かう予定だったと言うことですね…分かりました…お世話になりました…ありがとうございました。」
(ガチャ…ジャラジャラジャラジャラ…)
受話器を置いたあと、私はラッションペンでメモ書きをした。
返却口から10円玉が大量に出た。
またところ変わって、西鉄天神駅のコンコースにある公衆電話のコーナーにて…
私は、黄色のコイン式のプッシュホンを使って電話をかけていた。
「もしもし、戸畑区■■の▲▲田さまのおたくでございますね…私は、イワマツキョウコの息子のコリントイワマツヨシタカグラマシー…はい、コリントです…あの、□□村の奥さまから聞いた話でございますが…日時は昭和20年8月9日の朝7時半頃でございます…」
この時であった。
私のうしろに電話待ちの客が8組いたので、気持ちがあせっていた。
「もしもしすみません…うしろに電話待ちの客が8組いるのです…場所を変えますので、そのままお待ちいただけますか…はい、はい…かけなおします…すみませんでした。」
…………………………
またところ変わって、天神西通りにあるたばこ屋にて…
私は、カウンターに置かれている10円の赤電話機を使って電話をかけていた。
「もしもし、▲▲田さまの奥さま…天神西通りのたばこ屋の赤電話機からかけています…先ほどはどうもすみませんでした…改めておたずねいたしますが、昭和20年8月9日の朝7時半頃にシカヌマさんと母が(国電の)黒崎駅の下りのプラットホームにいたのを…あっ、その時奥さまは(国電の)香椎駅から汽車に乗って門司へ向かっていたのですね…えっ?…途中の駅でシカヌマさんと母を見たって…もしもし、シカヌマさんと母をどちらで見たのですか!?…東福間駅…東福間駅に停まっていた下りの汽車にシカヌマさんと母が乗っていたのですね…えっ?その汽車に乗っていた方がなんらかの事情を知ってるのですね…はい、その方に聞かれたらわかりますね…分かりました…はい、今からメモを取ります…」
私は、黒のラッションペンを使ってメモを取った。
「あっ、どうもお世話になりました…ありがとうございました…」
(ガチャ…チャリンチャリンチャリンチャリンチャリン)
私は、受話器を置いたあと黒のラッションペンでメモ書きをした。
返却口から10円玉がたくさん出た。
私は、周りをキョロキョロと見渡したあと返却口にある大量の10円玉を取り出した。
(チャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリン…ジー、ジー、ジー、ジー…)
私は、10円玉を投入口にたくさん入れたあとダイヤルを回した。
(プルルルルルルルルルルルルルルル…カチャ…)
電話がつながったあと話をした。
「もしもし、福岡市早良区▲△の□□原さまの家でございますね…私は、イワマツキョウコの母…はい、コリントです…奥さまでございますか?…お世話になります…あの、■■田の奥さまから話を聞いたのですが…あっ、乗られていたのですね…奥さまはどちらへ行く予定だったのですか?…長崎…長崎…ですね…シカヌマさんと母も長崎へ行こうとしていたのですね…日時は昭和20年8月9日でしたね…はい…はい…朝の10時20分に…途中で停まった?…あの、汽車は長崎へ向かっていたのですね…諫早…長崎の手前でなにかあったのですか?…そうですか…それじゃあ、長崎へ行くことができなかったのですね…はい、分かりました…奥さま、たいへんお世話になりました…ありがとうございました。」
(ガチャ…ジャラジャラジャラジャラジャラジャラ…)
私は、受話器を置いたあと黒のラッションペンでメモ書きをした。
時は、夕方5時前であった。
またところ変わって、西鉄天神駅の待合室にて…
ベンチに座っている私は、交通新聞社のコンパス時刻表の索引地図をひらいて調べものをしていた。
私は、九州地方の索引地図に万年筆でメモに記されたルートを万年筆で書き込みながらつぶやいた。
シカヌマさんとママは…
昭和20年8月9日の朝7時半に黒崎駅にいた…
シカヌマさんとママは、8時8分発の長崎行きの汽車に乗り込んだ…
10時20分…
諫早駅に汽車が到着したが、そこで運休になった…
運休になった理由は…
空襲警報が鳴った…
…と言うことである。
何ごともなければ…
汽車は、10時21分に諫早駅を出発することになっていた…
長崎着は…
10時57分…
……………………
次の瞬間、私は足が凍りついた。
同時に、ものすごく恐ろしい現場を思い出した。
……………………
シカヌマさんとママは…
あのまま長崎へ行ったら…
被ばくしていたと思う…
……………………
それじゃあ、シカヌマさんとママはどこへ行ったのだ?
シカヌマさんとママは…
なんで長崎へ行こうとしたのか…
長崎にシカヌマさんとママの友人知人はいたのか…
ますますわからなくなった…
……………………………
またところ変わって、岩田屋デパートの1階にある公衆電話のコーナーにて…
私は、10円のピンク電話機を使って電話をかけていた。
「もしもし、□□村さまのおたくでございますか?…私は、イワマツキョウコの息子のコリントイワマツヨシタカグラマシーです…はい、コリントでございます…奥さまでございますね…昨日、お電話した時は…ご不在でありましたので…改めてかけなおしました…今朝、黒崎駅で行商のおばちゃんとお会いいたしまして…その方からシカヌマさんと母のことを聞きました…はい…」
(チャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリン…)
私は、投入口に10円玉を6枚入れながら受話器の向こうにいる相手に話した。
「日時は、昭和20年8月9日の朝7時半頃…だったと思います…その時、奥さまはどちらにいらっしゃいましたか?…えっ?…(国電の)黒崎駅にいたのですね…シカヌマさんと母はどちらのホームにいたのですか?…下りですね…ってことは、博多方面へ向かう予定だったと言うことですね…分かりました…お世話になりました…ありがとうございました。」
(ガチャ…ジャラジャラジャラジャラ…)
受話器を置いたあと、私はラッションペンでメモ書きをした。
返却口から10円玉が大量に出た。
またところ変わって、西鉄天神駅のコンコースにある公衆電話のコーナーにて…
私は、黄色のコイン式のプッシュホンを使って電話をかけていた。
「もしもし、戸畑区■■の▲▲田さまのおたくでございますね…私は、イワマツキョウコの息子のコリントイワマツヨシタカグラマシー…はい、コリントです…あの、□□村の奥さまから聞いた話でございますが…日時は昭和20年8月9日の朝7時半頃でございます…」
この時であった。
私のうしろに電話待ちの客が8組いたので、気持ちがあせっていた。
「もしもしすみません…うしろに電話待ちの客が8組いるのです…場所を変えますので、そのままお待ちいただけますか…はい、はい…かけなおします…すみませんでした。」
…………………………
またところ変わって、天神西通りにあるたばこ屋にて…
私は、カウンターに置かれている10円の赤電話機を使って電話をかけていた。
「もしもし、▲▲田さまの奥さま…天神西通りのたばこ屋の赤電話機からかけています…先ほどはどうもすみませんでした…改めておたずねいたしますが、昭和20年8月9日の朝7時半頃にシカヌマさんと母が(国電の)黒崎駅の下りのプラットホームにいたのを…あっ、その時奥さまは(国電の)香椎駅から汽車に乗って門司へ向かっていたのですね…えっ?…途中の駅でシカヌマさんと母を見たって…もしもし、シカヌマさんと母をどちらで見たのですか!?…東福間駅…東福間駅に停まっていた下りの汽車にシカヌマさんと母が乗っていたのですね…えっ?その汽車に乗っていた方がなんらかの事情を知ってるのですね…はい、その方に聞かれたらわかりますね…分かりました…はい、今からメモを取ります…」
私は、黒のラッションペンを使ってメモを取った。
「あっ、どうもお世話になりました…ありがとうございました…」
(ガチャ…チャリンチャリンチャリンチャリンチャリン)
私は、受話器を置いたあと黒のラッションペンでメモ書きをした。
返却口から10円玉がたくさん出た。
私は、周りをキョロキョロと見渡したあと返却口にある大量の10円玉を取り出した。
(チャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリン…ジー、ジー、ジー、ジー…)
私は、10円玉を投入口にたくさん入れたあとダイヤルを回した。
(プルルルルルルルルルルルルルルル…カチャ…)
電話がつながったあと話をした。
「もしもし、福岡市早良区▲△の□□原さまの家でございますね…私は、イワマツキョウコの母…はい、コリントです…奥さまでございますか?…お世話になります…あの、■■田の奥さまから話を聞いたのですが…あっ、乗られていたのですね…奥さまはどちらへ行く予定だったのですか?…長崎…長崎…ですね…シカヌマさんと母も長崎へ行こうとしていたのですね…日時は昭和20年8月9日でしたね…はい…はい…朝の10時20分に…途中で停まった?…あの、汽車は長崎へ向かっていたのですね…諫早…長崎の手前でなにかあったのですか?…そうですか…それじゃあ、長崎へ行くことができなかったのですね…はい、分かりました…奥さま、たいへんお世話になりました…ありがとうございました。」
(ガチャ…ジャラジャラジャラジャラジャラジャラ…)
私は、受話器を置いたあと黒のラッションペンでメモ書きをした。
時は、夕方5時前であった。
またところ変わって、西鉄天神駅の待合室にて…
ベンチに座っている私は、交通新聞社のコンパス時刻表の索引地図をひらいて調べものをしていた。
私は、九州地方の索引地図に万年筆でメモに記されたルートを万年筆で書き込みながらつぶやいた。
シカヌマさんとママは…
昭和20年8月9日の朝7時半に黒崎駅にいた…
シカヌマさんとママは、8時8分発の長崎行きの汽車に乗り込んだ…
10時20分…
諫早駅に汽車が到着したが、そこで運休になった…
運休になった理由は…
空襲警報が鳴った…
…と言うことである。
何ごともなければ…
汽車は、10時21分に諫早駅を出発することになっていた…
長崎着は…
10時57分…
……………………
次の瞬間、私は足が凍りついた。
同時に、ものすごく恐ろしい現場を思い出した。
……………………
シカヌマさんとママは…
あのまま長崎へ行ったら…
被ばくしていたと思う…
……………………
それじゃあ、シカヌマさんとママはどこへ行ったのだ?
シカヌマさんとママは…
なんで長崎へ行こうとしたのか…
長崎にシカヌマさんとママの友人知人はいたのか…
ますますわからなくなった…
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