大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【長崎は今日も雨だった】

(ザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザー…)

時は流れて…

9月3日の朝9時半頃であった。

私は、9月3日までのあいだ諫早市・長崎市・長与町の三市町《みっつのまち》で大番頭《おおばんと》はんたちを探し回った。

そのまた一方で、ママの名前を勝手に名乗っていた極悪女《おんな》の行方を探した。

シカヌマさんと一緒にいた女性はママではなかった…

あの極悪女《おんな》は、ママの名前を勝手に使って好きホーダイしている…

絶対に許さない!!

………………………

そのまた一方で、昭和20年8月9日にシカヌマさんと極悪女《れいのおんな》を泊めた旅館の主がなんらかの事情を知っているので話がしたいと申し出たが主が不在であったので聞くことができない…苦戦を強いられた。

どうすればいいのだよ…

助けてほしいよ…

……………………

時は、1981年の9月3日の夜9時半頃だった。

場所は、長崎市中心地の浜んまち通り(アーケード街)付近にあるスナックにて…

私は、旅費を稼ぐためにカラオケ流しをしていた。

私が店に入った時、店に7~8人の男性客《きゃく》と派手なドレスを着たママとチーママがテレビを見ていた。

テレビの画面に長崎放送が映っていた。

この時間は『ザ・ベストテン』が放送されていた。

私は、にこやか表情で『こんばんは~』と言うたあと『一曲どうですか?お兄さまにちょうどいい歌がありますよ~』と言うた。

この時、男性客《きゃく》のひとりがこう言うた。

「オドレはアホか?」
「えっ?」
「『えっ?』じゃねえだろ!!」

なんで私が『アホか?』と言われたのか?

わけがわからずにコンワクした。

男性客《きゃく》は、私に対してこう言うた。

「おれたちは今、『ザ・ベストテン』を見てるのだぞ!!」

だからなんだと言うのだ…

言われた私は、ムッとした表情を浮かべた。

男性客《きゃく》のひとりは、私にこう言うた。

「へたくその流しの歌なんか聞きたくねえんだよ…かえれ!!」

なんや…

へたくそだと…

ものすごく怒った表情を浮かべた私は、店から出ていった。

…………………

(ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…キーッ、プシュ〜…)

店から出た私は、路面電車《トラム》に乗って蛍茶屋《ほたるじゃや》の電停《えき》まで行った。

蛍茶屋《ほたるじゃや》の電停《えき》で路面電車《トラム》から降りた私は、歩いて500メートル先にある終夜営業のラーメン店へ歩いて向かった。

この時であった。

私は、トレンチコート姿の黒のサングラス男と再び出会った。

サングラス男は、こわい声で私に言うた。

「おいコリント!!」
「はい?」
「近くにある電話ボックスのベルがじゃんじゃん鳴ってたぞ!!」
「はい?」
「オメーに電話がかかってきたから早く行け!!」
「どこから電話ですか?」
「広島県!!」
「広島県?」
「早く行けよ!!」

………………………

またところ変わって、歩いて200メートル先にある電話ボックスにて…

私は、四角の水色のコイン投入式のプッシュホンにかかってきた電話の応対をしていた。

「お電話代わりましたコリントイワマツヨシタカグラマシーでございます…△△△さま…私はこの何日のあいだ諫早や長崎の近辺を歩き回って探しましたが、手がかりを得ることができませんでした…えっ?…母の名前を勝手に名乗っていた極悪女《おんな》のことがわかったのですね…大三島…分かりました…今すぐに大三島へ行きます…はい、ありがとうございました。」

…………………

急げ…

時間がない…

……………………

(ブロロロロロロロロロロロロロロロロロ…)

日付が変わって、9月4日の深夜1時頃であった。

私は、終夜営業のラーメン屋でヒッチハイクした長距離トラックに乗って再び旅に出た。

トラックは、国道34号線〜3号線〜2号線を通って東へ向かった。

9月4日朝6時50分頃であった。

トラックは、竹原港に到着した。

ショルダーバッグを持ってトラックから降りた私は、ターミナルビルに入った。

(ボーッ、ボーッ、ボーッ…)

朝8時頃であった。

私は、竹原港からフェリーに乗って大崎上島の木江港《きのえ》へ向かった。

その後、木江港《きのえ》から大三島の宮浦港《みやうら》へ向かう大三島ブルーラインのフェリーに乗り換えた。

宮浦港《みやうら》に到着したのは、朝10時半頃であった。

ショルダーバッグを持ってフェリーから降りた私は、大山祇神社《おおやまずみじんじゃ》へ歩いて向かった。

この時、前日から降り続いた雨がやんでいた。

濡れたアスファルトのところどころに陽の光がきらめいていた。

私の気持ちは、ひどくあせっていた。

早くしなきゃ…

時間がない…

…………………
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