大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【明日なき男のバラード】

日付が変わって、10月9日の深夜2時頃であった。

またところ変わって、多度津港のすぐ近くにある運ちゃん食堂にて…

店には、2〜3人の運転手《うんちゃん》がいた。

私は、レバニラ炒め定食のごはん大盛りで遅い夕食を摂っていた。

ごはんを食べている私は、やる気のない表情でつぶやいた。

まったくも…

なんなのだ一体…

□■島のババアの言うことは信用できない!!

はぁ〜…

なんなのだ一体もう…

(ガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラ…)

この時であった。

白のワンピ姿でランスルーのハンドバッグを持っている三永《みえ》さんが店に入った。

「いらっしゃい〜」

三永《みえ》さんは、戸だなの中に入っていた冷や奴と山かけが盛られている食器を取り出したあと私が座っている席に向かった。

三永《みえ》さんは、私がお茶をのみ終えたところをみたあと声をかけた。

「ヨシタカさん。」
「あっ、三永《みえ》さん。」
「座ってもいい?」
「うん。」

三永《みえ》さんは、冷や奴と山かけが盛られている食器を向かいの席に置いたあとイスにこしかけた。

この時、かわいいエプロンをつけた若い女の子が席にやって来たあと三永《みえ》さんに声をかけた。

「ご注文は?」
「アツカンちょうだい。」
「かしこまりました。」

私は、三永《みえ》さんに声をかけた。

「三永《みえ》さん。」
「なあに?」
「ワラビでの用事は?」
「済んだわよ。」
「そうですか。」
「ドーセーしていたカレと別れたわよ。」
「別れた?」
「うん。」

それから2分後であった。

三永《みえ》さんが注文した清酒金陵《きんりょう》のアツカンが到着した。

三永《みえ》さんは、アツカンをひとくちのんだあと私に言うた。

「ヨシタカさん。」
「三永《みえ》さん。」
「どうしたのよ…顔が赤いわよ〜」
「数時間前に桃陵公園へ行った…イナ姐《ねえ》はんが◯江の奥さまからカネを借りていた件の詳細を…□■島の奥さまから聞いた…だけど…話がめちゃくちゃだった…ものすごくあきれたよ〜」
「□■島の奥さまのことね…□■島の奥さまが言うた言葉は97・8パーセントはウソよ。」
「あとの2・2パーセントはほんとうだと言うのか?」
「そうよ…ヨシタカさん、ごはん食べて。」
「ああ〜」

私は、再びごはんを食べ始めた。

三永《みえ》さんは、冷や奴を食べたあとアツカンをのんだ。

……………………………

時は、深夜4時20分頃であった。

またところ変わって、桃陵公園にて…

三永《みえ》さんと私は、ベンチに座っていた。

三永《みえ》さんは、私に対してものすごく怒った表情で言うた。

「パク・イナは◯江の奥さまからカネを借りたと言うのは大ウソよ!!」
「大ウソ!?それじゃあ、イナ姐《ねえ》はんは◯江の奥さまに対してたかりをした…と言うことですか!?」
「そうよ…パク・イナにゆすりをたのんだのは…牛窓の家のモノよ!!」
「三永《みえ》さんの実家の人間がイナ姐《ねえ》はんにたかりを頼んだ!?」

三永《みえ》さんは『ほんとうよ〜』と言うたあと決めつけ言葉を言うた。

「その主犯はうちの両親よ!!」
「三永《みえ》さんのご両親が主犯…そのコンキョはどこにあるのですか?」
「コンキョはあるわよ〜」

この時であった。

イナ姐《ねえ》はんが少林寺拳法の本部脇の路地を再び通って公園にやって来た。

この時、三永《みえ》さんと私が話をしていたところを聞いてしまった。

三永《みえ》さんは、ものすごく怒った声でイナ姐《ねえ》はんのことをボロクソに言いまくった。

「うちの両親は、パク・イナの二番目の妹が持っている超高額の財産がほしいと言うたのよ〜」
「ドナ姐《ねえ》はんが持っている超高額な財産?」
「くわしいことはよく分からないわ…話を変えるけど、うちの両親はすごくおカネに困っていたのよ。」
「それはほんとうですか?」
「ほんとうにほんとうよ〜…両親はすごくおカネに困っていたのでイナの二番目の妹さんが所有している超高額な財産がほしいと言うたのよ!!うちの両親はイナに対して二番目の妹さんをマッサツしてくれと頼んだのよ!!」

がけの死角に隠れていたイナ姐《ねえ》はんは、三永《みえ》さんが言うた言葉を聞いたとたんに顔が真っ青になった。

こわい…

どこでそんな話を聞いたのよ…

やめて…

イナ姐《ねえ》はんは、今にも叫びそうになった。

しかし、三永《みえ》さんはそんなことはおかまいなしにペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラ…としゃべりまくった。

「うちの両親は、イナの二番目の妹から超高額な財産を使ってドーラクザンマイをする気でいたのよ!!」
「ドーラクザンマイ!?」
「そのとおりよ〜…小耳にはさんだ話だけど…うちの両親は、豪華クルーズ船で行く世界一周旅行を申し込んだのよ…行くのは来年の1月末から半年間だけど…旅費をまだ払ってないのよ!!」
「旅費を払ってない?」
「うん…それと、パスポートを取得してないのよ〜」
「そのクルーズ船の旅はいつ申し込んだの?」
「3年前よ〜」
「3年前?」
「うん。」

三永《みえ》さんは、私に対してこう言うた。

「先月の末に、ツアーを企画した事務局から催促状《さいそく》が来たのよ〜」
「催促状《さいそく》が来た?」
「うん。」
「『いつになったら料金を払うのですか?』…と言う…」
「そうよ。」
「そのツアー料金はいくらなの?」
「いくらって、おひとり様900万円よ!!」
「おひとり様900万円!?」
「そうよ。」
「なんでそんな超高額なツアーを申し込んだの!?」
「両親は、一生に一度は世界一周旅行をしたいと言うたのよ…だから…軽い気持ちで申し込んだのよ〜」
「まさか〜」
「ほかにもまだあるわよ!!」
「ほかにもまだあるって!?」
「叔父《クソバカ》が寸借詐欺《サギ》をしていたことが明らかになったのよ!!ほかの叔父母《クソバカ》どもも、ケーサツざたになるようなもめごとを起こしたのよ!!」
「なんだって!?」
「ほんとうの話よ!!それともうひとつ、父の旧友《ちじん》がユウシを断られたので助けてくれと言いにうちに来たのよ!!ほかにもまだあるわよ!!伯父《クソジジイ》が職場の人たちから集めた大金を牧場トーシに使ったことが原因でサギに引っかかったのよ…うちのシンルイたちや実家のまわりの人たちはみーーーーーーーーんなあくどい人間ばかりよ!!」
「三永《みえ》さん…三永《みえ》さん!!」

このあと、三永《みえ》さんはよりし烈な怒りをこめながらペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラ…としゃべりまくった。

がけの死角に隠れていたイナ姐《ねえ》はんは『やめて!!』と言いながら走り去った。

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