大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【柳ケ瀬ブルース】

時は、夜9時過ぎであった。

私は、引き続き岐阜市内《しない》で暮らしているほたるさんの友人知人カタへ電話をかけていた。

またところ変わって、柳ケ瀬の商店街《アーケード》の裏手にある酒場街にて…

私は、焼き鳥屋さんの入り口付近に設置されている公衆電話のコーナーの台に置かれている10円の赤電話機を使って電話をかけていた。

「もしもし、夜分遅くに申しわけございません…岐阜市長良井田にお住まいの○森△□さまのおたくでございますか?…お世話になります…コリントイワマツヨシタカグラマシーともうします…あの、そちらにほたるさんはお越しになられていますか?…四国の松山でスナックを経営していたほたるさんです…えっ?…△木さまがほたるさんのことをよく知っているのですね…すみません…そちらにお電話をかけさせていただきますがよろしいでしょうか?…はい…はい…はい…お世話になりました。」

(ガチャ…ジャラジャラジャラジャラジャラジャラ…)

受話器をおいたと同時に、返却口に10円玉がたくさん出た。

私は、赤のラッションペンを使ってメモパッドに『確認済み』と記入した。

(カチャ…チャリンチャリンチャリン…ジー…)

それから2分後に、私は再び受話器をあげた。

コイン投入口に10円玉3枚を入れたあとダイヤルを回した。

受話器の向こうにいる相手が出たことを確認したあと話をした。

「もしもし、夜分遅くに申しわけございません…あの、△木さまのおたくでございますか?…私は…えっ?…△木さまのおたくじゃないのですか?」

この時、受話器の向こう側から男の怒鳴り声が響いた。

「こんなおそい時間にくだらない電話をかけてくるな!!」
「す、すみませんでした〜」

しまった…

まちがい電話をやってしまった…

この時、私の後ろに酔っ払いのサラリーマンの男性がいた。

男性は、私に対して怒った声で言うた。

「おい!!いつになったら電話が空くのだ!?」
「すみませんでした〜…すぐにあけます〜」

サイアク…

なんでこんな目にあうのだ…

…………………………

時は、夜10時40分頃であった。

またところ変わって、梅林公園《ばいりんこうえん》の中にある電話ボックスにて…

私は、四角のだいだい色のコイン投入式のプッシュホンを使って電話をかけていた。

「もしもし、夜分遅くに申しわけございません…△木さまのおたくでございますね…お世話になります…私、コリントイワマツヨシタカグラマシーでございます…あの…そちらにほたるさんはお越しになられていますか?…四国の松山でスナックを経営なされていた方でございます…ええ!!○森さまがお越しになられているのですね!!…すみません、○森さまにお電話を代わっていただけますか!?…お願いいたします!!」

このあと、受話器のスピーカーから電話の保留音が鳴った。

受話器のスピーカーから流れている保留音の曲は、美川憲一さんの歌で『柳ケ瀬ブルース』であった。

それから2分後であった。

○森さんが電話に出たので話をした。

「もしもし、あっ、○森さまでございますね…先ほどお電話をおかけしましたコリントイワマツヨシタカグラマシーでございます…もしもし…ほたるさんがシッソウした!?…もしもし、最後にほたるさんをお見かけになられたのはいつ頃でしょうか!?…ええ!!…10日前!?…もしもし!!…10日前のことでございますが、○森さまは、どちらにいらっしゃいましたか!?…ほたるさんと会われたのですね…ハマサカ…それじゃあ、○森さまはほたるさんと一緒に山陰へ行かれたのですね!!…はい…はい…はい…」

私は、黒のラッションペンを使ってメモパッドに書き込みをしながら話した。

「もしもし○森さま…私、もうひとりのカタを探しているのです…その方は、ほたるさんが経営していたスナックの中にあるちょいの間で働いていた武下三永《たけしたみえ》さんと言う女性です…その方は、先月の10日の夜遅くに音信不通になったのです!!…ええ!!三永《みえ》さんが深刻なトラブルに巻き込まれた!?…もしもし○森さん!!三永《みえ》さんは過去にどんなトラブルを抱えていたのですか!?…ほたるさんがシッソウしたことと関係があるのでしょうか!?…もしもし!!…私…これからすぐにハマサカへ行きます!!夜のおそい時間に申しわけございませんでした!!…はい、はい、はい!!」

(ブロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ…)

時は、11月12日の深夜0時過ぎであった。

私は、ヒッチハイクした長距離トラックに乗って再び旅に出た。

トラックは、国道21〜8〜1〜9号線を通って山陰方面へ向かった。

ほたるさんがハマサカでシッソウした…

三永《みえ》さんが深刻なもめごとを起こしたあとあちらこちらを逃げ回っていた…

一体、どうなっているのだ…

………………………
< 593 / 900 >

この作品をシェア

pagetop