大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【冬の旅】

(ザザーン!!)

時は、11月12日の午後2時40分頃であった。

またところ変わって、ハマサカ(兵庫県新温泉町)の中心部にある海水浴場《ビーチ》にて…

この日、海はひどく荒れていた。

海水浴場《ビーチ》にある海の家の軒下に私と私と濃い紫色色で花がらの振りそでと薄いピンクの帯姿の女性がいた。

女性は、ほたるさんの旧《ふる》い友人のしずくさんであった。

しずくさんは、私に対してあの日(ほたるさんがシッソウしたと思われる日)にここで話をしていたと話した。

「ほたるちゃんとうちは、あの日の午後にここに来ました…ここでほたるちゃんとうちは…海をみながら身の上ばなしをしていました。」
「海をみながら身の上ばなしをしていたのですね。」
「ええ。」

私は、万年筆を使って手帳にメモ書きをしながらしずくさんに言うた。

「ほたるさんとしずくさんは、何時頃までこちらにいたのですか?」
「そうねぇ…夕方4時半までここにいたわよ。」
「夕方4時半頃…」

私は、万年筆を使って手帳にメモ書きをしたあとしずくさんに言うた。

「先にここを出発したのはどちらでしたか?」
「うちが出発したわよ…ほたるちゃんは『もうしばらくのあいだここにいるわ。』と言うて残りました。」
「それでは、ほたるさんとはそこで連絡がとだえたと言うことですね。」

私の問いに対して、ほたるさんはものすごく不安げな表情で『…だと思うわ〜』と答えた。

私は、万年筆を使って手帳に書き込みをしたあとしずくさんに言うた。

「その時、ほたるさんはどんな表情をなされていたのですか?」
「そうねぇ…ものすごくつらそうな表情を浮かべていたわよ〜」
「ものすごくつらそうな表情を浮かべていた?」
「うん…くわしいことはよくわからないけど〜」
「くわしいことはよく分からない…」

私は、万年筆を使って手帳に書き込みをしたあとしずくさんに言うた。

「それともう一点おたずねしたいことがございますが…よろしいでしょうか?」
「ええ。」
「え~とですね…もうひとかたでございますが…行方不明になられた女性《ひと》を探しているのです…武下三永《たけしたみえ》さんと言うお方でございますが…」
「その方は、ほたるちゃんの知っている人?」
「三永《みえ》さんは、ほたるさんが経営していたスナックで働いていた女性《ひと》です。」
「ほたるちゃんと一緒に働いていた女のコね…年齢はいくつ?」
「たしか、40代なかばの女性《ひと》でした…あの…しずくさんは、ほたるさんが経営していたスナックの中にちょいの間があったことはご存知でしょうか?」
「知ってるわよ〜」
「ご存知でしたか〜」

しずくさんは、私に対してこう言うた。

「ああ、思い出したわ〜」
「思い出した?」
「あのコたしか…深刻な揉めごとを抱えていたみたいよ〜」
「深刻なもめ事を抱えていた?」
「うん…くわしいことはよくわからないけど〜」
「くわしいことは…よくわからない…」

私は、万年筆を使って手帳にメモ書きをしながらつぶやいた。

三永《みえ》さんは…

過去にどんなもめ事を抱えていたのだ?

……………………

ますます分からなくなった…

………………………
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