大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)
【粋な別れ】
時は、8月28日の朝9時過ぎであった。
またところ変わって、国鉄松山駅のプラットホームにて…
ふたりは、下り・宇和島方面行きの急行列車の乗り場にいた。
三世《みよ》さんは、急行列車に乗る予定の私に対して駅弁が入っているキオスクのロゴ入りのレジ袋を渡したあとこう言うた。
「これ、お昼のお弁当です。」
「ありがとうございます。」
「アタシはこれから…病院へ戻ります。」
「病院?」
「ええ、義父…主人の父親の容態が急変したのです。」
「そうですか…早めに行かれた方がいいですよ。」
「分かりました…あとそれから…これも受け取ってください。」
三世《みよ》さんは、私に対して黒の四角の小さな機器を手渡した。
受け取った私は、三世《みよ》さんにこう言うた。
「これはなんでしょうか?」
「ポケベルです。」
「ポケベル?」
「交通事故で亡くなった主人が使っていたものです…名義はアタシになっています。」
「はい。」
「コリントさまがお探しになられている大番頭《おおばんと》はんたちとマァマさんとドナさんの居場所を知っているしずくさんとほたるさんがどこへ行ったかを…知っているのです。」
「そうですか…分かりました…あの…もし、しずくさんとほたるさんの居場所が分かりましたら…知らせていただけますか?」
「もちろんです…それと…コリントさまに危険が迫っている場合も…ポケベルでお知らせします。」
「分かりました…それでは…行ってまいります。」
私は、ほたるさんから受け取ったポケベルをショルダーバッグの中に収納した。
…………………
(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)
それからまた50分後であった。
私は、宇和島行きの急行列車に乗って再び旅に出た。
車窓に澄んだ青色に染まった伊予灘《うみ》が写っていた。
私は、窓に写っている伊予灘《うみ》を見つめながらウォークマンで歌を聴いていた。
イヤホンから石原裕次郎さんの全曲集に収録されている歌が流れていた。
イヤホンから流れている歌は、『粋な別れ』に替わった。
三世《みよ》さんは…
病院にたどり着いたかな…
義父さまの看取《みと》りは…
きちんとできたかな…
………………………
またところ変わって、国鉄松山駅のプラットホームにて…
ふたりは、下り・宇和島方面行きの急行列車の乗り場にいた。
三世《みよ》さんは、急行列車に乗る予定の私に対して駅弁が入っているキオスクのロゴ入りのレジ袋を渡したあとこう言うた。
「これ、お昼のお弁当です。」
「ありがとうございます。」
「アタシはこれから…病院へ戻ります。」
「病院?」
「ええ、義父…主人の父親の容態が急変したのです。」
「そうですか…早めに行かれた方がいいですよ。」
「分かりました…あとそれから…これも受け取ってください。」
三世《みよ》さんは、私に対して黒の四角の小さな機器を手渡した。
受け取った私は、三世《みよ》さんにこう言うた。
「これはなんでしょうか?」
「ポケベルです。」
「ポケベル?」
「交通事故で亡くなった主人が使っていたものです…名義はアタシになっています。」
「はい。」
「コリントさまがお探しになられている大番頭《おおばんと》はんたちとマァマさんとドナさんの居場所を知っているしずくさんとほたるさんがどこへ行ったかを…知っているのです。」
「そうですか…分かりました…あの…もし、しずくさんとほたるさんの居場所が分かりましたら…知らせていただけますか?」
「もちろんです…それと…コリントさまに危険が迫っている場合も…ポケベルでお知らせします。」
「分かりました…それでは…行ってまいります。」
私は、ほたるさんから受け取ったポケベルをショルダーバッグの中に収納した。
…………………
(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)
それからまた50分後であった。
私は、宇和島行きの急行列車に乗って再び旅に出た。
車窓に澄んだ青色に染まった伊予灘《うみ》が写っていた。
私は、窓に写っている伊予灘《うみ》を見つめながらウォークマンで歌を聴いていた。
イヤホンから石原裕次郎さんの全曲集に収録されている歌が流れていた。
イヤホンから流れている歌は、『粋な別れ』に替わった。
三世《みよ》さんは…
病院にたどり着いたかな…
義父さまの看取《みと》りは…
きちんとできたかな…
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