大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【男の真夜中】

時は、夕方6時15分頃であった。

またところ変わって、鹿屋市の中心部にあるバスターミナルの待合室にて…

(ジー、ジー、ジー…)

私は、公衆電話のコーナーにある10円の赤電話機を使って電話をかけていた。

私は、ポケベルのディスプレイに表示されていた番号にダイヤルしたあと相手が電話に出るのを待っていた。

(プルルルルルルルルルルルルルルルルルル…カチャ…)

「こちら△△ホテルでございます。」

えっ?

ホテル?

私は、受話器の向こうにいる受け付けの女性に話した。

「もしもし、そちらに和歌田部三世《わかたべみよ》さまはお泊りになられていますか?」
「はい…お泊りになられていますよ〜」
「すぐつないでください!!お願いします!!」

(プルルルルルルルルルルルルルルルルルル…カチャ…)

このあと、受話器のスピーカーから三世《みよ》さんの声が聞こえた。

「もしもし、三世《みよ》です。」
「コリントでございます…三世《みよ》さんはどちらにいらっしゃいますか?…マサキ…マサキのラブホの部屋?」

またところ変わって、松前町の国道56号線沿いにあるラブホの部屋にて…

三世《みよ》さんは、部屋にあるだいだい色のハウディ(プッシュホン)を使って電話の応対をしていた。

「コリントさまは今、どこにいるのよ?…鹿屋《かのや》…九州の鹿屋《かのや》にいるのね…」
「三世《みよ》さん、三世《みよ》さんは3日前にポケベルを鳴らしたよね…そこへ電話をかけたけど…ちがう人が出たんだよ〜」
「電話に出たのは…義妹《いもうと》でした…すみませんでした…お電話がかかってきた時は…弔問客《おきゃくさま》の対応をしていたのです〜」
「そうでしたか…こちらも2〜3日のあいだ電話をかけることができずにすみませんでした…話は変わりますけど…私になにを伝えようとしたのですか?」

三世《みよ》さんは、私に対してこう言うた。

「コリントさま…コリントさまがさがしているしずくさんのことで…お話があります…」
「なんだって!?…しずくさんと似た女性が鹿児島にいた!?…それはどなたから聞いたのですか!?…分かりました…もしもし三世《みよ》さん…もしもし!!」

(ガチャ…ツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツー…)

電話は、そこで切れた。

鹿児島…

しずくさんと似た女性が鹿児島にいた…

もしかしたら…

……………

それからまた数分後であった。

ベンチの上にスーパーマップルの九州地方の道路地図がひらいた状態で置かれていた。

私は、鹿屋市から鹿児島方面へ向かうルートを調べたあと万年筆を使って地図上に書き込んでいた。

急がなきゃ…

時間がない…

…………………
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