大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【銃爪(ひきがね)】

(ピヨ、ピヨ、ピヨ…カッコー、カッコー、カッコー…コツコツコツコツコツコツコツコツコツコツ…ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…キーッ、プシュー…)

時は、夕方5時半頃であった。

またところ変わって、大街道のスクランブル交差点にて…

近くの電停《えき》に路面電車《トラム》が停まった。

路面電車《トラム》の中からおおぜいの乗客《ひと》たちが降りた。

歩行者用の信号機が青に変わった。

信号待ちをしていたおおぜいの人たちが交差点を渡りだした。

赤茶色のバッグとマクドのロゴ入りの紙袋を持っているゆりこは、足早に交差点を渡った。

ところ変わって、松山市喜与町《しないきよまち》にあるゆりこが暮らしているマンションの一室にて…

ゆりこは、テーブルの上に赤茶色のバッグとマクドのロゴ入りの紙袋を置いたあとイスに座った。

(ガサガサガサガサガサガサガサガサ…)

ゆりこは、マクドのロゴ入りの紙袋の中からビッグマックのセットを取り出した。

つづいて、赤茶色のバッグの中からフォーマ(二つ折り)を取り出した。

(パカッ…)

ゆりこがフォーマをひらいた時に、メール一件着信アリの知らせが書かれていたのでメールをひらいた。

メールは、ゆりこのほんとうの婚約者からであった。

メールには、こう記されていた。

ゆりこ…

すまない…

許してくれ…

てつろうと結婚してしあわせになれ…

挙式披露宴とハネムーンの用意はできているから、心配はいらないよ…

さようなら…

(ドスーン!!)

思い切りブチ切れたゆりこは、右手に作った握りこぶしでテーブルを殴りつけたあと全身をブルブルと震わせながらいかりくるった。

許さない…

なにが『挙式披露宴とハネムーンの用意はできているから心配はいらないよ…』よ!!

(婚約者)さんは、勝手過ぎるわよ!!

ゆりこ…

女の幸せなんかいらないワ!!

時は、3月3日の午前10時頃であった。

ところ変わって、松山市内にある職業安定所《ハローワーク》にて…

てつろうは、3月2日に『一身上の都合』を理由に職場をやめたのでこの日からシューカツを始めた。

てつろうは、求人票を一件ずつエツランしたが身の丈に合う職業は見つからなかった。

こまった…

どうすればいいのだ…

時は、午後1時半頃であった。

またところ変わって、松山市宮田町《しないみやたちょう》にあるフジグランの正面玄関前にて…

正面玄関に設置されているベンチに座っているてつろうは、パン屋で購入したクルミアンパンを食べながら考え事をしていた。

どうしようかな…

尾鷲市《くに》へ帰ろうかな…

松山《ここ》で暮らしていくことが苦痛になった…

結婚相手が見つかる…と言う口コミにのってHISに就職したので大失敗した…

こんなことになるのだったら…

親元から通えるお近くの会社を選ぶのだった…

……………………
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