大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【腕に虹だけ】

時は、1980年の10月1日のことであった。

家出した温大《はると》は、ちえちゃんとくみちゃんとゆいなちゃんと一緒に行動するようになった。

午前中は部屋で寝ていた。

行動を起こすのは午後2時過ぎから明け方の5時前までのあいだあった。

温大《はると》は、家出した日から大きく荒れた…

ガッコーから足が遠のいた…

家から足が遠のいた…

家族たちとの関係は修復不能におちいった…

墜《お》ちるところまで墜《お》ちるしかない4人は、どこへ行こうとしているのか…

……………………

時は、午後2時過ぎであった。

またところ変わって、太兵衛《たべえ》の家の大広間にて…

大広間にあずさとあずさの両親・近衛静夫《このえしずお》かすみ夫婦と姉・しのぶ(32歳・専業主婦)と長男・拡次《ひろつぐ》(4歳・幼稚園保育園に行ってない)とりつよがいた。

太兵衛《たべえ》と圭佑《けいすけ》と三永《みえ》さんとしのぶの夫・拡和《ひろかず》(39歳・管理職)は勤めに行ったのでここにはいなかった。

あずさは、再来年の春に大学を卒業する予定…いいえ、普通に通っていれば大学を卒業できるようになっていた。

あずさは、4月の第2金曜日ごろから大学に行かなくなった。

大学に行かなくなった理由は、あずさがどうしても取りたい単位を取りこぼしたことであった。

しかし、あずさは実家の家族たちに対して単位を取りこぼしたことを言わなかった。

実家の家族たちは、あずさが大学に行かなくなったのでなにがあったのかと心配になった。

大学でイヤなことがあったのではないのか…

…………………

その一方で、あずさと同い年の子たちがシューカツをしているのにあずさがシューカツをしていないことが明らかになった。

7月末から8月のあいだ、あずさと同い年の子たちは各企業へインターンに行った…

あずさだけはインターンに行かなかった…

それを聞いたかすみは、いらだちをさらに強めた。

…ということで、話し合いの席をもうけた。

………………………

かすみは、あずさに対してものすごくあつかましい声で言うた。

「あずさ!!あずさ!!」
「なによ〜」
「あずさ!!4月のいつ頃か分からないけど、大学へ行かなくなったことを渕崎《ふちざき》の奥さまから聞いたわよ!!いったいなにがあったのよ!?」

かすみから問いつめられたあずさは、ものすごくつらい表情でつぶやいた。

そんなこと言われても…

分からないわよ〜…

……………………

かすみは、よりあつかましい声であずさに言うた。

「あずさ!!だまっていたら分からないわよ!!」

かすみから問いつめられたあずさは、ものすごくつらい表情でつぶやいた。

言えない…

どうしても取りたかった単位をとりこぼしたことを言えない…

どうしたらいいのよ…

かすみは、あずさに対して怒りをこめながら言うた。

「あずさ!!ドーキューセーたちは再来年の春に大学を卒業するのよ!!」

あずさは、ものすごく泣きそうな声で『またその話〜…イヤ!!』と言うた。

かすみは、怒りを込めながらあずさに言うた。

「あずさ!!大学を卒業したあとは就職か結婚のふたつしか選択肢がないのよ!!」

静夫《しずお》は、めんどくさい声で『おいやめろ〜』と言うた。

かすみは、怒った声で静夫《しずお》に言うた。

「あなた!!」
「なんぞぉ〜」
「少しは父親らしくしてよ!!」
「だからどうしろと言うのだよ〜」
「あなた!!あずさのドーキューセーたちは再来年の春に大学を卒業するのよ!!」
「だからなんじゃあ言いたいのだよ〜」
「あずさに対してガーガーガーガー言うて怒ってよ!!」
「だからなにをどう怒れと言うのだよ〜」
「なさけないわねもう!!」

りつよは、困った声でかすみに言うた。

「あのお母さま〜」
「なんですか!?」
「ガーガーガーガーと怒っていたらあずささんがイシュクしますよ。」

かすみは、ものすごくイラついた声でりつよに言うた。

「奥さま!!女の子は大学を卒業したあとは企業に就職するか結婚するのふたつしか選択肢がないのよ!!」
「だからと言うて、決めつけてしまったらあずささんがかたくなになりますよ…ほかにもまだ選択肢はあるのよ〜」

かすみは、ものすごくイラついた声でりつよに言うた。

「奥さまはなにがいいたいのですか!?私たち家族に対して意見を言うのですか!?」

りつよは、ものすごく困った声でかすみに言うた。

「すみませんけど、落ちついて話し合いができる状態じゃないのでいったん終わりにしましょう〜」

かすみは、ものすごく怒った声でりつよに言うた。

「私たち家族は時間がないのよ!!」
「時間がないからどうしたいのですか?」
「奥さま!!私たち夫婦はローゴを楽しみたいのよ!!あずさが企業に就職するかおむこさんをもらうか…のどちらかを選んでほしいのよ!!」
「それじゃあ、あずささんに大学院へ行くなと言いたいのですね…または、あずささんに専門学校へ行くなと言いたいのですね〜」
「言うてないわよ!!」

キーッと怒り狂ったかすみは、両手で髪の毛をグシャグシャにかきむしった。

そんな中であった。

かすみの横に座っていた拡次《ひろつぐ》が失禁を起こした。

拡次《ひろつぐ》が着ていた小さなズボンが大容量の失禁でビチョビチョに濡れた。

それを見たしのぶがおどろいた声で言うた。

「拡次《ひろつぐ》!!拡次《ひろつぐ》どうしたのよ!?い…イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

(ドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバ…)

この時、拡次《ひろつぐ》がさらに大容量の失禁を起こしたのでざぶとんがベトベトに濡れた。

りつよは、大急ぎで拡次《ひろつぐ》を助けたあとしのぶに声をかけた。

「たいへん!!…ちょっとお母さま!!」
「はい?」
「お母さま!!ぼんやりとしている場合じゃないわよ!!お子さまが大容量の失禁を起こしたのになんとも思わないの!?」
「ああああ!!拡次《ひろつぐ》!!どうしたのよ!?」

りつよは、大容量の失禁を起こした拡次《ひろつぐ》に声をかけようとした。

この時、拡次《ひろつぐ》がシャックリを起こした。

「たいへん!!こんどはシャックリを起こしたみたいよ!!」
「なんですって!!」
「奥さま、お孫さんはいつごろから失禁を起こすようになったの?」

りつよの問いに対して、かすみはつらそうな声で『さあ、分からない…』と答えた。

りつよは、ものすごく困った声で言うた。

「困ったわね…あずささん、この近くに子どもの脳外科がある病院はあるの?」
「電話します。」

このあと、あずさは子どもの脳外科がある病院に電話をかけた。

それから数分後にあずさは拡次《ひろつぐ》を連れて病院へ行った。

病院に着いたあと、拡次《ひろつぐ》は緊急の検査を受けた。

緊急の検査の結果、拡次《ひろつぐ》の脳幹《のうかん》にゴルフボールくらいの大きさの影が見つかったので要精密検査と診断された。

つまり、脳腫瘍のうたがいが出た…ということであった。

しかし、かすみは『たんなるおもらしと要精密検査にどんな関係があるのよ〜』と言うて精密検査を受ける必要はないと言うて拒んだ。

今のかすみは、あずさのことで頭がいっぱいになっていたので拡次《ひろつぐ》の大病《やまい》と向き合うことができなかった。

…………………
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