大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【雨の慕情】

(ザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザー…)

次の日(10月27日)の朝7時半頃であった。

この日は、朝から雨が降っていた。

またところ変わって、あずさの実家の大広間にて…

家の大広間には、あずさの両親がいた。

しのぶと拡次《ひろつぐ》はまだ寝ていたので食卓にいなかった。

台所にいるあずさは、料理をしていた。

かすみは、家出した愛也《まなや》の友人知人の家に電話をかけていた。

「もしもし、▽平くん…愛也《まなや》はおたくに来ていないのね…うん…もし、愛也《まなや》がおたくに来たら家に電話するように言うてね…それじゃあ、お願いします〜」

かすみは、受話器を置いたあと大きくため息をついた。

静夫《しずお》は、ものすごく困った声で言うた。

「愛也《まなや》は、▽平くんの家にはいなかったのか?」
「ええ。」
「もういい〜」

かすみは、ものすごく困った声で静夫《しずお》に言うた。

「あなた。」
「かすみ。」
「愛也《まなや》の今後のことだけど…」
「愛也《まなや》のことはあとにしろ!!」
「あなた〜」
「そんなことよりも、あずさはどうするのだ!?」
「あずさのこと?」
「あずさは大学へ行く気はあるのかないのかどっちだ!?」
「あなた〜」
「おととい、お向かいの稲見《いなみ》のご夫婦が『いいオハナシがありますがいかがですか?』と言われた!!」
「お向かいの稲見《いなみ》さんのご夫婦がいいオハナシを持ってきたって?」
「ああ…あずさが大学に行かないのであれば、嫁に出すかムコを取るかのたれ死にしかないのだよ!!」
「あなた、そう言った話はごはんを食べてからにしてよ!!」
「分かってるよ!!」

ふたりの会話は、あずさがいる台所にも聞こえた。

話を聞いたあずさは、ガステーブルの火を消したあと温め直したみそ汁を大広間に持っていこうとしたが持っていくのをやめた。

その後、あずさは勝手口から外へ出た。

(ザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザー…)

またところ変わって、県道にて…

ザーザー降りの雨が降っている中、あずさはドボトボと歩道を歩いていた。

車道に自動車がたくさん往来していた。

ずぶぬれになったあずさは、八代亜紀さんの歌で『雨の慕情』をふるえる声で歌っていた。

……………………

アタシは…

これから先…

どうしたらいいの…

大学に行っても…

なにを学びたいのか分からない…

大学の友人たちとも仲良くできない…

どうしたらいいの…

………………………
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