大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)
第66話・置き手紙

【友よ女よ】

時は、1982年10月21日の午前6時過ぎであった。

またところ変わって、松本市蟻《しないあり》ケ崎《さき》にある三紗《みさ》が暮らしているアパートにて…

この時、ふとんで寝ていた太兵衛《たべえ》が起き上がった。

同時に、三紗《みさ》が夜のおつとめを終えて帰宅した。

ピンクのトップスと白のパンツ姿の三紗《みさ》は、太兵衛《たべえ》に声をかけた。

「太兵衛《たべえ》さん…今、起きたのね。」
「ああ。」
「大丈夫?」
「大丈夫じゃないよ〜」
「夜ふかししたからでしょ…身体はしっかりと休めてねと言うたのよ。」
「そうだったな〜」

三紗《みさ》は、クローゼットのとびらをあけたあとピンク色のトップスを脱いだ。

トップスの中からHカップの極爆乳《おおきすぎるおっぱい》を包んでいるむらさきのワコールのブラジャーがあらわになった。

三紗《みさ》は、クローゼットの中から濃いグレーのTシャツを取り出したあとすぐに着替えた。

その後、手提げバッグを持って居間に入った。

三紗《みさ》は、テーブルの上にバッグを置いたあと太兵衛《たべえ》に声をかけた。

「太兵衛《たべえ》さん…ねえ太兵衛《たべえ》さん。」
「三紗《みさ》…」
「あんたどうしたのよ?」

太兵衛《たべえ》は、おびえた声で三紗《みさ》に言うた。

「わし…今度こそ…日本から…出たい…日本から出たい…」
「日本から出たい…のね。」
「わし…あの時…日本を棄てて…争いごとがない…軍隊がない…おだやかな国へ行こうと決めて…マンシュウへ渡った…マンシュウからソ連に強行入国したけど…なにも分からずに自暴自棄になった…終戦の年に…収容所へ強制的に送られた…そして…カンゴクに閉じ込められた…」
「太兵衛《たべえ》さん。」

三紗《みさ》は、せつない声で太兵衛《たべえ》に言うた。

「太兵衛《たべえ》さん…つらかったのね。」
「ああ…つらかったから…幸せになりたい…そのためには…イワマツグループとイワマツ家の財産一式が必要なんだよ〜」
「イワマツの財産一式がほしいのね。」
「ああ…そのためには…パスポートがほしいのだよ〜」

太兵衛《たべえ》は、ものすごく泣きそうな声で三紗《みさ》に言うたあとHカップの極爆乳《おおきすぎるおっぱい》に抱きついて泣いた。

太兵衛《たべえ》を極爆乳《むね》に抱きしめている三紗《みさ》は、やさしい声で言うた。

「よしよし…よしよし…パスポートがほしいのね…アタシがなんとかするから…よしよし…よしよし…」

……………………

となりの部屋にて…

となりの部屋に番頭《ばんと》はんがいた。

番頭《ばんと》はんは、カベに盗聴器のさきを差し込んだあととなりの部屋の様子を聴いていた。

太兵衛《たべえ》と三紗《みさ》は、となりの部屋に番頭《ばんと》はんに盗聴《とうちょう》されていることにまったく気がついていなかった。

ニヤニヤとした表情を浮かべている番頭《ばんと》はんは、ちびたえんぴつでメモ書きをしながらふたりの会話を聴いていた。
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