大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【何故(なぜ)】

さて、その頃であった。

私・イワマツは、北陸と西日本の(映るテレビの)チャンネル数が少ないエリアをまわって大番頭《おおばんと》はんたちとマァマとドナ姐《ねえ》はんを探し回った。

このままでは危ない…

イワマツの財産一式がなかったら困るのは私だ…

太兵衛《たべえ》はなにを考えているのか分からない…

太兵衛《たべえ》が再び暴挙に出る恐れがあると関知した私は、太兵衛《たべえ》の友人・知人の家に電話をして太兵衛《たべえ》のことをたずねた。

しかし、これと言った手がかりを得ることはできなかった。

急がなきゃ…

残された時間は…

そんなに多くない…

…………………………

時は、10月21日の夜9時50分頃であった。

私・イワマツは、福井市中心部の新栄商店街《アーケード》にいた。

私は、道行く人たちに対して大番頭《おおばんと》はんたちとマァマとドナ姐《ねえ》はんのことをたずねた。

しかし、人々は『知らない…』と答えたあとどこかへ行った。

この日も、大番頭《おおばんと》はんたちとマァマとドナ姐《ねえ》はんたちを見つけることができなかった。

そんな時であった。

付近をパトロールしていた警察官《おまわりさん》が私に声をかけた。

「あの〜」
「はい。」
「コリントイワマツ…」
「コリントは私でございますが〜」
「コリントさまでございますね〜…あの〜すみませんけど、ちょっとコーバンに来ていただけますか?」
「はあ?コーバンに来てくれって?」
「はい…上の人が連れてこいと言うたのです〜」

ちょっと…

それはどう言うことですか?

わけがわからなくなった。

それからまた30分後であった。

またところ変わって、国電福井駅の西口にある交番にて…

デスクの上に置かれているダイヤル式の黒電話機の後ろにあるオルゴールに受話器が置かれていた。

交番にいる警察官《おまわりさん》が腕組みした状態でイライラとしていた。

そこへ、私を連れてきた警察官《おまわりさん》が交番に戻ってきた。

交番にいた警察官《おまわり》さんが怒った声で言うた。

「おそいぞ!!」
「すみませんでした〜」
「すみません〜」

もうひとりのおまわりさんは、私に怒った声で言うた。

「あんたね!!交番は公衆電話じゃないのだよ!!」
「すみませんでした〜」

なんで私が怒られなきゃいかんのや…

…………………

私は、ブツブツとつぶやきながらオルゴールに載っている受話器を手にしたあと話をした。

「はい替わりました…コリントは私でございますが…あっ、長野市権堂町にお住まいの□△さまでございますね…ええ!!長野県庁《けんちょう》に39歳前後の女が…旅券課の窓口に来ていた…もしもし、その女はどう言う人ですか!?…人妻風…はい…話かわりますけど…その人妻風の女はなにをしに来たのですか?…パスポートの申請に来た…ええ!!人妻風の女が太兵衛《たべえ》のパスポートを申請した!?…もしもし!!□△さま!!どう言うことかお話をしてください!!もしもし!!」

………………………

(ブロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ…)

それからまた3時間後であった。

私は、福井市開発町の国道8号線沿いにある終夜営業のラーメン屋さんでヒッチハイクした長距離トラックに乗って再び旅に出た。

三協アルミのロゴ入りの特大トラックは、国道8号線を通って富山方面へ向かった。

トラックは、それから8時間後の10月22日の朝8時半頃に国電直江津駅に到着した。

(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)

私は、直江津駅から信越本線《しんえつせん》の各駅停車《どんこう》に乗って長野駅へ向かった。

長野駅には、午前11時50分頃に到着した。

ショルダーバッグを持って列車から降りた私は、改札口を通って外へ出た。

急がなきゃ…

急がないと…

大変なことになる…

………………………
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