大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)
第67話・シングル・アゲイン

【さよならを伝えて】

私・イワマツは、11月1日から3日のあいだにかけて宮崎市とその周辺の地域をまわってほたるさんを探し回った。

しかし、どこを探してもほたるさんはいなかった。

私の気持ちは、すごくあせっていた。

大番頭《おおばんと》はんとマァマとドナ姐《ねえ》はんの居場所を知っているのはほたるさんだけである。

残された時間は限られている…

急がなきゃ…

……………………

(ゴーッ…)

時は、11月3日の午後1時過ぎであった。

私は、宮崎ブーゲンビリア空港から東亜国内航空機に乗って再び旅に出た。

午後1時55分頃に飛行機が長崎空港に到着した。

この日は、国電長崎駅のすぐ近くにあるホテルで一泊した。

11月4日の朝10時頃であった。

またところ変わって、駅前商店街《アーケードがい》にある純喫茶店にて…

店内によしのと私がいた。

テーブルの上には、ブレンドコーヒーが入っているかわいいコーヒーカップとカステラひと切れがのっているかわいいおさらがならんでいた。

店内に設置されているユーセンのスピーカーから研ナオコさんの歌で『みにくいあひるの子』が流れていた。

よしのは、私に対してものすごくあつかましい声で言うた。

「太兵衛《たべえ》が若狭高浜《たかはま》でやくざともめた末に殺人事件を起こして逮捕されましたが、処分保留でシャクホウされました。」
「処分保留でシャクホウされた?」
「ええ…太兵衛《たべえ》は、ケーサツからの取り調べに対して意味不明の言葉を言うなど…頭がいかれていたのです!!」
「それで、どうするおつもりですか?」
「クルクルパーになった太兵衛《たべえ》は、戸籍《せき》を外したので渕崎《うち》とは関係ありません。」
「戸籍《せき》を外した?」
「ええ…と言うよりも、太兵衛《たべえ》はもらい子だったのです。」
「太兵衛《たべえ》さんはもらい子だった!?」
「ええ、ほんとうよ。」
「あの〜」
「コリントさま、もうよろしいでしょうか!?」
「はっ?」
「うちはこのあと10時からヤクソクがあるのよ!!」
「はっ、分かりました…これで終わります〜」

ものすごく怒った表情を浮かべているよしのは、席を立ったあとそのまま店から出た。

………………………

なんとも言えない…

私は、ひとことも言わずによしのを見送った。
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