大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【あやまち】

時は、午前9時過ぎであった。

またところ変わって、福江市下大津町《しないしもおおつちょう》にある大津みなと公園にて…

園内に三世《みよ》さんと私がいた。

三世《みよ》さんは、私に対して□△さまのメイゴさんのパスポートを盗んだ犯人を知ってると言うた。

私は、おどろいた声で三世《みよ》さんに言うた。

「えっ!?□△さまのメイゴさんのパスポートを盗んだ犯人を知ってるって!?」
「ええ。」
「それは誰!?」
「目星はついてるわよ…□△さまのパスポートを盗んだ犯人は三紗《みさ》よ!!」
「三紗《みさ》が犯人?」
「ほんとうよ!!」

私は、困った声で三世《みよ》さんに言うた。

「三世《みよ》さん。」
「なによ!?」
「コンキョはあるの?」
「あるから言うたのよ!!」
「それはなに?」
「答えはかんたんよ…三紗《みさ》が太兵衛《たべえ》をかくまっていたのよ…かくまわれていた太兵衛《たべえ》は、軍隊のない国へボーメイしたいからパスポートがほしかったのよ!!…太兵衛《たべえ》は、パスポートの申請の仕方が分からないので三紗《みさ》に頼んだのよ!!」
「その前に聞くけど、太兵衛《たべえ》と三紗《みさ》はどんな関係があったの?」
「太兵衛《たべえ》と三紗《みさ》は、松本でドーセイしていたのよ。」
「ドーセイしていた?」
「うん。」
「話かわるけど、三紗《みさ》はどうやって□△さまのメイゴさんのパスポートを盗んだのかな?」
「まず、太兵衛《たべえ》は旧友である□△さまを善光寺の仁王門の近くにある甘み屋に呼び出した…太兵衛《たべえ》は□△さまに対してパスポートの申請の仕方を教えてくれと言うて頼んだ…□△さまはパスポートの申請のしかたは教えたけど、その際にあることを言われたのよ。」
「あることを言われた?」
「『戸籍抄本はありますか?』…と言われたのよ。」
「戸籍抄本。」
「うん。」
「太兵衛《たべえ》は渕崎家《いえ》の筆頭主《あるじ》にカンドウされていたので戸籍がない…戸籍がなかったらパスポートを申請するどころか、他の行政サービスを受けることもできない。」
「だからパスポートを盗むしかなかったのよ。」
「太兵衛《たべえ》は、それから何日か後にまた□△さまを甘み屋へ呼び出した。」
「この時、太兵衛《たべえ》は□△さまに対して『メイゴさんが取得したパスポートをみしてと言うたのよ…□△さまはそれに応じる形でメイゴさんのパスポートを持ち出したのよ。」
「その結果…」
「そう、これが動かぬ証拠よ!!」

三世《みよ》さんは、私に対して証拠写真を手渡した。

私は、1枚ずつ写真を見た。

写真には、□△さまがメイゴさんのパスポートを太兵衛《たべえ》にみしている写真から盗むまでのあいだの様子が写っていた。

本題は、□△さまが店から出た時から始まっていた。

太兵衛《たべえ》は□△さまがパスポートを忘れたよと伝えに行った…

そのあいだに三紗《みさ》が□△さまのメイゴさんのパスポートを盗んだ…

その後、三紗《みさ》がパスポートの中身を書き換えた…

…と言うことであった。

証拠写真を全部みた私は、三世《みよ》さんに言うた。

「三世《みよ》さん。」
「なによ!?」
「この写真…どうやって撮影したの?」
「これよ!!」

三世《みよ》さんは、私に対してゼブラのシャーボー(筆記用具)を見せながら言うた。

「これで撮ったのよ!!…このシャーボーには…隠しカメラが入っているのよ!!」
「隠しカメラ。」
「そうよ…アタシが隠し撮りした写真は、長野県警に送ったわよ。」
「…と言うことは?」
「三紗《みさ》は逮捕されたわよ。」
「逮捕された!?」
「ええ…カノジョはほかにも複数の容疑があるからこれでアウトよ!!」
「これでアウト。」
「これでアタシのうらみははれたわ。」
「うらみが晴れた!?」
「三紗《みさ》は小さい時からナマイキな子だったのよ!!気に入らないことがわめきちらす!!人のせいにするなど…ものすごく悪い子よ!!…だからアタシは三紗《みさ》をやっつけたのよ!!…三紗《みさ》はほかにも凶悪事件を犯したのよ…これであの子は一生カンゴク暮らしよ!!…ウソだと思うのであれば新聞を見てよね!!」

このあと、三世《みよ》さんは私の前から立ち去った。

私は、ひとことも言わずに三世《みよ》さんを見送った。

その後、私は新聞を見てほんとうかどうかを確かめた。

その結果、三紗《みさ》が複数の凶悪事件を起こして再逮捕〜追起訴されていたことが明らかになった。

私は、この日を最後に三世《みよ》さんと会わなくなった。
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